髪を伸ばせ。
髭を生やせ。
鼻毛を伸ばせ。
毛という毛を伸ばせ。
伸ばすだけ伸ばしたら、今度は全部剃りなさい。
OK?
はい、ではまた全部伸ばしなさい。
考えてみると、睫毛や脇毛や陰毛は一定の長さから伸びない。
元来、人は伸びないものは剃らない。
いやはや、人は伸びるものは剃る。
俺はこう見えて、全ての毛という毛を剃ったことがある。
それはもう痒くてたまらんかった。チクチクしてたまらんかった。
結果から言うなれば、その実験は無意味に終わる。
初めから残念な結果の到来を八割方予感していた。
しかし、やった。
決めつけは良くないからね。
毛という存在に対する人々の共通意識というものはほんとに不思議である。
みんなが同じように剃るべき部分を剃り、そうでないとこはそのままに。
みんなが生やすから生やす。
生やさないなら生やさない。
ふざけるな。
俺はそんな考え方は嫌いだ。
毛に対して失礼極まりない。
孔子は言っていない。全ての毛に意味はあるとは。
しかし、俺が言う。
毛は尊きファッションだ。
21世紀も早10年が過ぎた。そろそろ毛に対する意識改革が必要となる。
若者よ。
生えるものは一度ボウボウに生やせ。
それで悲しくも仕事や恋愛に支障をきたした時、初めて剃れ。
髭党、ロン毛党、鼻毛党は、七三党、Yシャツ党、ポマード党と共に手を取り合って、お互いを尊重し合えるようになるはず。
きっと綺麗な田園風景が見えるはずさ。
毛には愛を。
地球には森林を。
もっとも剃るべきは固定概念である。
By エコマクフライ