主人公がおっさんで名前がヤスオ。
最初の五行だけ読んだけど、こんなん、下手やなんて言えないよ。
そこのほら、君たち、世界に何かをさけんだり、井戸から何か出てきたり、
婚約者が病気で死んだり、それがまた霊となって現れたり、そんなん書いてて出版してて、
絶対この小説の事は悪く言えないです。
はい、映画にでも何にでもしたらいいのよ、こんなレベルですよ、今売れてる小説なんざ。
文学でも、それを目指して挫折したのでも何でもない、ニーチャンが書いたお話。
文学修業なんかしなくても、そこここに、小説だぁ、と言って売られてる本読んで書いたんだよね。
仕方ないよ、周囲に日本近代文学全集なんか転がってる環境ではなかったろうし、また、そういうものを読まなくては、一行も立たない世界だという認識も文化もなかったんだろうね、綺麗でそこそこイイ子なんだろうからね。
私はこの小説を支持なんかしないけど、もし、この作品を嗤う編集者がいたら、その上そいつが一流出版社の編集者だったら、殴ってやりたいわ。
これが小説だと思わせたのは誰の責任だよ。
この小説が売れている現状を恥とせねばならぬのは君たちだよ。
売れたらええねん、売れなあかんねん、と言い続けてきたら、ほれ、こんなん出てきました。
もっと非常にヒサンなものかと思ったら、全然普通。
ま、全部読んでなくて言うのも何ですが、害にはならん。
わかってる人はみんなわかってるもん、本当の小説がどんなものか。
オススメはしないけれど、これ、普通にダメなだけですよ。
普通にダメな出版社の普通にダメな賞とっても不思議ではありません。
そして、普通にダメな映画になればいいんです。
今の若い人の書くエセ小説として、普通だっ、誹謗酷評されるこたぁないよ。
しかし、ウスイ装丁やなぁ、とほほほほ。
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