許さない!
こんな公共の場で
リバースされてたまるもんかっ
だって残ったブツと乗客の皆様はどうなるんだ!?
そんなの嫌だぁぁーっっ!!!
と、熱く私が考える訳もなく、
非常に冷静に、持っていたタオルを彼女の口にあて
多少こぼれたものの、きっちり受け止めた。
そしてそのまま次の停車駅で下車し、
やや引きずり気味に彼女を連れ、ホームの下の階にあるトイレまで。
たまたま目に入った身障者トイレに荷物を投げ入れ、
倒れ込むようにそのまま便器に彼女を押し込んだ。
便器を前にうつらうつらするものの、時々出していたので
売店にタオルと水を買いに行く。
ほんの30秒たらず目を離した隙に、
彼女ったらトイレの床に大の字で寝やがった。
瞬時に殺意を覚えたが、急性アルコール中毒がどんなものかもわからなかったので、
無理矢理に抱き起こし、水を飲ませ再び吐かせた。
ひたすら話しかけ、意識を繋ぎ止める。
たいてい「ホントにすみません」「あれぇっ?」と返ってくる。
全く噛み合わない会話。
ぐちゃぐちゃのタオルを洗い、勝手に彼女の携帯をあさり
彼女の「ママ」「妹」にコールをするが留守電に…。
ヤバイ。
このまま私はどうしたらいいんだろう。
時間は既に午後12時。
何とか帰宅したい。
車を持ってる友人に連絡してみるものの、平日の昼間に出てこれる訳も無く
全て応援されて終わった。
中には、「ペットボトルに<うし>って書いて帰ったら?多分わからんよ」と
素敵なアドバイスをくれる人もいたが、
女の子を置き去りにはできんでしょや。
散々水を飲ませ、もう何も出て来なくなった頃、
途方に暮れる私を尻目に、徹夜明けだった馬鹿は、そのまま爆睡。
何度呼び掛け、頬を殴っても起きやしねぇ。
ワンピースを着てるけど、吐いたり水で拭いたりしたせいで服もびちょびちょ。
風邪をひいてしまうと心配するけど、さすがに服を脱がせる事まではできなかったので、
ジャージのズボンを履かせ、Tシャツを服の中に突っ込んで、
ひざ枕して肩をさすり続けた。
何を・・・やってんだろう・・・
何度となく思った。
時間はもう午後4時。
そろそろキレてきた。
こんだけしてやりゃ充分でしょ!
二時間はトイレで寝かせてやったんだっ!
いい加減にしてくれ!
そして再び叩き起こした。
次はしっかり目を覚まし、自分がどんな状況かも解ったらしく
見る見る真っ青な顔になり
何度も頭を下げる、がふらつく馬鹿者。
とにかく私は帰りたいのっ!
二人して泣きそうになりながらトイレを4時間以上ぶりに出て、
電車で帰る、と言う彼女をすかさずビンタし、
タクシーで無理矢理一緒に駅まで帰った。
もぅヤダ・・・
二人共、タクシーの中でやっぱりちょっぴり泣いちゃった。
翌日、
「お礼にご飯でも」
との申し出を
断固として拒否したのは
言うまでもない話し。