ファイルNo,306 M様 RZ前後ブレーキ換装オーダー | takuオーナーのブログ

ファイルNo,306 M様 RZ前後ブレーキ換装オーダー

ファイルNo,252 E様RZ リヤブレーキマスター変更

↑以前当店で施工した記事を見てオーダー頂きました。

 

今回のオーダーは前後にAPレーシングの

キャリパーを採用したいと言うものです。

 

スイングアームの垂角その他、

ドラム用のビートのステップも全く同じ仕様ではなく

(ペダルが他車のものと交換されている)

前回のデーターはそのまま生かせませんので

色々と考えながら進めさせて頂きました。

↑入庫した状態ですでにTZの足回りが

 入っておりますがブレーキ関係は未処理。

 ステップはビート製のドラム用です。

↑APのキャリパー

 前後とも同じものを取り付けます。

↑このAPのキャリパーは

 ローター外径に対してそれほどフレキシブルではありません。

 今回の組み合わせではローターがパットが飛び出てしまいます。

 ですがアクスル側に寄せると本体が干渉する。

 パットの飛び出しに関しては妥協するしかありません。

↑まずは何時ものごとく仮プレートを製作してみます。

 ボルト穴には必ず遊びがあるため

 図面上で計算してボルト位置を割り出しても

 実際に仮プレートで試してみると

 遊びの状態によってはキャリパー本体と

 ローター外周部が干渉したりします。

↑完全にボルト位置を把握するまでは

 何枚も仮プレートを製作します。

↑ボルト位置が定まった後に本格的に設計に入りますが

 これがまた一回で決まらないわけでして

 現物大にプリントしては確認して微調整を行います。

↑完成したサポートを仮組します。

↑いい感じに収まりました。

 因みにスポークとキャリパーの干渉を防ぐため

 ローターも若干外側にオフセットさせてあります。

↑±0.01のシムを加工してあります。

↑こんな感じでセットしてローターをオフセットしてあります。

  

 今回分割式のシムを採用したのは

 PCDが大きくオフセット量が少ないので

 リング形状で製作するのが精度的に難しいからです。

 

次にリヤ側です。

 

↑リヤもローターのオフセットが必要でした。

 こちらはリング状のスペーサーを製作して対応

 精度は±0.01 4mm厚です。

↑リヤサポートの製作工程は省きますが

形状は写真のCです。

↑トルクロットを固定するステーを製作。

↑スイングアームに固定して溶接します。

↑トルクロットを取り付けるとこんな感じ。

さて いよいよステップ側です。

↑今回のRZはTZのスイングアームの角度が

前回のオーダーとは異なるため

マスターを固定するプレートの製作と言いますか

位置関係で難儀しました。

結局プレートを3段階で調節できるように製作しておいてから

現物合わせで位置を確定させ

その後にカム関係の加工に入った次第です。

↑ビートのステップをバラし カム部分を改造します。

↑マスターの角度に合わせてステーを新設。

↑ペイント 

↑3段階の内 一番下の穴を採用しました。

 ブレーキスイッチと連動するバネもバッチリ機能します。

予定より3日ほど遅れましたが

何とか完成しましたのでこの後納車となります。

 

※マスターはRZRの純正新品

 マスターカップはポッシュ製

 ホース類のフィッティングは当店では今回行いません。