ファイルNo,237 N様 RZRメンテ その1
N様 RZRです。
過去に当店でメンテを行った事がありますが
高回転まで回すとエンジン左下からのオイル漏れが激しくなるという事で
今回改めてメンテを行う事にしました。
(以前の記事↓)
因みにエンジンに関しては一度他店でO/Hを行っております。
その際シフトシャフト等も新品に交換されたそうですが
結果としてオイル漏れが止まらず、
その後当店でもシフトシャフトシールや
フロントドリブンシールの再交換を行いました。
それでもまた漏れるという事で地元のバイクショップにて
シールの交換を行ったそうですが
今回の漏れ方は尋常ではありません。
しかし3度もシール交換して早期に漏れる様では
他に原因がありそうなのですが・・・・う~む
↑実走でお持込頂いたその場でプロケット回りを確認したところ、
ロックワッシャーがドリブンシャフトのスプライン部に
しっかりはまっていない状態でナットを締め付けたのか、
なんと真っ二つになっておりました。
ロックワッシャーの変形具合を見れば
事の重大さが判るかと思いますが、
本来ナットの緩み止めとなる爪は無くなっており、
案の定ナットも緩く、いつ脱落してもおかしくない状況でした。
↑このフロントスプロケットはRZ用オフセットスプロケットを加工して
スプライン部(←)の厚みをRZR用に薄くしたものですが、
当店のものではありません。
加工後の厚みに関しては当店の仕様より1mmも薄いです。
ナットがきっちり締まっていませんでしたので
スプロケットは左右方向に相当遊んだはずです。
それ故高回転になるとシール不良を起こして
今回のオイル漏れを引き起こしたのかもしれませんが、
少なくても以前当店にシール交換した際には
ナットも新品に交換してきっちり固定しましたので
その後のオイル漏れに関しては
やはり何か別の原因があるのかもしれません。
打合せの結果、以前行ったエンジンO/Hに関しても
実際どこまでのパーツが交換されているのか判らないという事でして
今回は思い切って腰下のO/Hを行う事にしました。
↑駐車していると地面にポタポタ落ちてくるほどなので
クランクケースの合面に何か問題があるのか?
↑腰上は消耗品のみ交換でOKという事になりましたが
↑スリーブ内壁はご覧の通りで良好とは言い難いのですが
すでに1mmオーバーサイズという事もありますので
↑しかし未だ判らないのがクランク右シールです。
写真の様に液状ガスケットを塗られて組み付けられていたのですが
↑純正シールは外周部に突起があるのですが
このシールには突起が無いのです。
後々ケース割らなくても交換しやすいように
配慮してあるのでしょうか??
↑ケース側にはシール抜けを防ぐためか
ポンチで凹凸を何カ所もつくってあります。
N様に確認を取ったところ、特にこうした作業の説明は
受けた事は無いそうです。
↑クランクケース上下の合わせ面には
確かに液状ガスケットが塗られていますが
通常使用する幾つかのタイプと異なります。
これで良いのかも不明。
↑結局何度もオイル漏れを起こすケースの再利は行わず、
他のケースを使う事にしました。
↑バルブやバルブを連結させるボルトも大きく加工されています。
ボルトはバルブの凹に合わせて削られていますが
規定トルクで締めると面が合いません。
う~む 面を合わせてやる必要があると思うのですが
↑クランクは以前のO/Hの際にピン溶接されています。
中央ベアリング2個に溝が無いタイプなのですが
↑ドリブンシャフト端のニードルベアリングも溝の無いタイプですね。
今現在純正で新品を調達すると溝有りタイプとなりますので
もしかすると以前のO/H時に再利されているのかもしれません。
いずれにしても今回は別のシャフトを使用して
消耗品の交換を行った上で組み付けます。
という事で色々と判らない事もありますが
進めて行きたいとと思います!!