あの日の事を振り返るには、結局約1週間もの時間を要した。
優勝戦線に踏みとどまって、奮闘している最中の監督「勇退」報道。
「結果を出しているのに一体どういう事だ?」と憤る人、「なんでこの時期に。やり口が汚い」と憤る人。
色々な意見があるが、ただ一つ感じていた事がある。
それは、「一時代が終わる」ということ。
風が猛烈な南長野に4000人もの観衆が詰めかけた。
この日の長野の選手たちは躍動していた。特に大橋は重荷が取れたように、華麗で、それでいて泥臭い突破を魅せる。
「おい、ハシはどうしたんだ?」
「すげえな本当に」
そして、この日が現役最後のゲームとなる佐田。試合開始前から眼が光っていた。怖いくらいに。
その佐田が今までにないくらい、右サイドから好機を演出する。「前へ勝負しよう」という気概がビンビン伝わってきた。
「いいぞソータロー!!!」
長野の攻撃に転じた際のパスも良く、またルックアップ出来ていたので長距離のパスも通る。
「今までが嘘みたいだ!」
「今日は良いぞ!」
テンポ良く進むゲームにワクワクしていたが、それは前半あっさり崩れ落ちる。
「諏訪!出てくるな!」
そんな声もむなしく、相手9番が諏訪の位置を確認し、浮いたタマを蹴る。対処していた大島、そして中途半端に出て来たGK諏訪の頭上を越えてゆっくりとゴールイン。9番の技ありである。
毎回YSCCとは一進一退の死闘を演じる。
YSCCはピンチにも献身的に足を出し、シュートコースを切っていく。
良く走る。良く走るチームはどこかでガス欠に陥るケースが多いが、ペースをキープ出来ていた。球際も異常なほど強い。そして最強最悪のトップ、辻正男がいる。
辻選手は、3月に三ツ沢で観た時よりも強く変貌しているような印象を受けた。
しかしそれほどの相手であろうと、勝利の可能性は大いにあった。
後半戦でいくつものチャンスを演出するが、やっとの思いで撃ったシュートはことごとく枠を捕らえられず、枠外へスコンスコンと飛んでいく。
その度に長野ファンは総ズッコケ。1点が遠い。
「あれは決めてくれよ!宇野沢!」
「あー本当にもったいない!」
ゴールを割れない。ゴールが近いようで遠い。いつまでこんな時間が続くのだろうか。
公式入場者数が発表されると場内は拍手喝さい。だが「勝たなきゃ意味ねえぞ!」と声が飛ぶ。
思えば、大事なところで得点出来ない。それでは勝てない。
原因は何なのだろうと思っていたが、全然解らない。この日のゲームに限って言えば、決定機に決め切れなかったのが全てだと思う。なぜもっと脅威を与えられないのか?これが限界なのだろうか?今現在の長野のフットボールの立ち位置なのだろうか?
今シーズン最終戦を、勝利で結ぶ事は出来なかった。
相変わらずの勝負弱さを露呈する結果となった。
以前のように選手に怒りの声をぶつける気にもなれず、ただただあっけなく連敗でシーズンを終えた事に力が抜けた。
試合後、引退する佐田の言葉、キャプテン大橋の色々な意味が込められた挨拶。
そして、最後まで「薩川了洋」を涙ながらに演じ切った薩川さんの姿に、涙だけが流れた。
本日のポイント
●躍動した選手たち。大橋の突破は素晴らしかった。
●良いサイドチェンジが見られた。
●あれだけの決定機を1度もモノに出来ず。
チケットの査定 「今日のチケットおいくら?」
査定士 taketo
・入場料 1,000円
・先々週の8日にクラブが薩川監督の解任を発表!何でこの時期に!
まだ2試合残して優勝戦線にからんでいるのに!選手、監督、コーチ陣は戦う
モチベーションを保てるわけがありません。今年のパルセイロは3部リーグの
JFLで戦っていたのだからそこのタイトルをとるのが目的じゃないですか!
クラブフロントは何を考えているんでしょうか?そして、案の定2連敗! -5,000円
・駐車場が満車であれば離れている他の駐車場の案内を出すべきだ! -500円
・初めての4,000人オーバーの観客 +500円
・バックスタンドの中学生たちから「AC長野」コールが起こった +500円
・長すぎた的を得ない話、政治家のような社長の挨拶 -1,000円
本日の査定 -4,500円
査定士 Nori
コメント「今年も一年間ありがとうございました。いろいろ言いましたが、やっぱり我が街に愛するフットボールクラブのある喜びを噛み締めたいと思います」
・入場料 1000円
・フットボールが、愛するクラブがある幸せ ∞
査定士 ゆうすけ
コメント「攻撃には積極性、連動性がありグッドですが、あれだけのチャンスにフカシまくったのはダメです。残念な最終戦でした。」
・入場料 1000円
・なりふり構わない大橋のドリブル +500円
・YSCC9番の技ありゴール。 +300円
・またも大事なゲームを大観衆の前で落とす -1300円
本日の査定 500円