イースト・ミーツ・ウェスト | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

EAST MEETS WEST [DVD]/真田広之,高橋悦史,竹中直人
¥3,990
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内容:岡本喜八監督が、1860年のアメリカ西部を舞台に、開国を決意した幕府が送り込んだサムライの活躍を描くアクションコメディ。日米修好使節団の資金が盗まれ、敵同士の開国阻止を目論む刺客・健吉と艦長護衛役の忍者・為次郎が協力することに。 (Amazonより)


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はい!中断を挟みながらも長らく続けてまいりました岡本喜八監督特集 ですが、

いよいよ今回で最後となります!ヽ(゚◇゚ )ノ

ってワケでラストを飾りますは、1995年製作「イースト・ミーツ・ウェスト」です!






万延元年(1860年)、日米修好使節団の護衛艦としてサンフランシスコに到着した咸臨丸には、重大な使命と野心を抱いた二人の男が乗り込んでいた。通弁見習いの上條健吉は、実は攘夷派の急先鋒・水戸の脱藩浪士で、開国派の井伊大老が派遣した使節団のメンバーを暗殺し条約を阻止するのが目的だった。勝麟太郎艦長の下僕として乗船した為次郎は、実は軍艦奉行・木村摂津守が雇ったお庭番、つまり“忍術使い"であった。咸臨丸がサンフランシスコに到着し、その記念式典で賑わう最中に、咸臨丸から運び出された三千両の小判を狙って、強盗のガス・テイラー一味が銀行に押し入った・・・(goo映画より)



はい、本作はタイトルのとおり「東洋文化と西洋文化の邂逅」、江戸時代のお侍さんが

ゴールドラッシュに沸きたつアメリカ西海岸で大活躍するという内容の

アクション・コメディーです。


万延元年、咸臨丸艦長勝海舟(仲代達矢)をはじめとする日米修好使節団一行が

サンフランシスコに到着した。ところがそこで三千両の小判を強盗一味に強奪されてしまい、

現場に居合わせた通訳にして剣の達人・上條健吉(真田広之)は、強盗一味に父を

殺された少年サムとともに後を追う。

一方事情を知らない使節団一行は上條が三千両を奪って逃走したと誤解し、

忍術使いでありながら侍に憧れるお庭番・為次郎(竹中直人)に上條追撃を命じる…

ってなお話。



ロケの大半がアメリカで行われた本作は、言わば“スキヤキ・ウェスタン”のさきがけって

所ですかねー、日本文化の象徴たるサムライたちを主人公に据えつつ、ストーリー自体は

数ある西部劇の要素を片っ端から拝借した感じになっています。

無法者たちに父親を殺された少年による敵打ち、先住民との邂逅、愛する妻を置いて

去ってしまったもののもう一度正義を取り戻す為に立ちあがるかつてのヒーロー、

町を取り戻す為に無法者たちに反旗を翻す弱者たち・・・。

西部劇の“あるあるエピソード”をこれでもかとばかりに詰め込んだ本作は、

まぁいささか詰め込み過ぎて散漫な感はありますが、パロディとしてはこれでいいでしょう。

「独立愚連隊」 などを観れば喜八監督が西部劇に対して深い愛情を抱いていた事は

明らかですし、この当時既に時代遅れとなりつつあった“西部劇”と“時代劇”に対する

監督の愛情がダダ漏れになってる映画、そう思って観ると何とも愛おしいじゃあーりませんか。

その点では十分満足です。



ただ・・・うーん、ちょっと竹中直人のキャラはやり過ぎじゃないかなぁ。。。(-"-;A

今回彼が演じる為次郎は徹頭徹尾滑稽なキャラクターで、言わばかつて砂塚秀夫さんが

担っていた役割なんですけどね、砂塚さんと比べるとあまりに濃過ぎてしつこく、

芝居がかったギャグがほとんど上滑りしちゃってるように感じたんですよねぇ。

基本的にやってるギャグはこれまでの喜八作品と変わりないんですが、やたらと

古臭く感じちゃいましたよ。




総評。

まぁ桜田門外の変のシーンに「侍」 の映像を流用しているあたり、喜八作品を

観続けてきた者にしかわからないお得感があって嬉しかったですが、個人的には

ちょっとふざけ過ぎな感は否めないかなぁ。ガンマン対サムライの対決とか、

もうちょっとグッと引き締まる部分があれば良かったんですけどね。

ってワケでラストはちょっと残念な終わり方になってしまいましたが、喜八監督特集は

これにて終了となります。長々とお付き合いいただきありがとうございました!!<(_ _)>