独立愚連隊 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

独立愚連隊 [DVD]/佐藤允,鶴田浩二,三船敏郎
¥4,725
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内容:まるで西部劇のような快活なタッチで綴る戦争アクション映画の金字塔的傑作。それまで声高に反戦を叫ぶか浪花節的に進むしかなかった戦後日本の戦争映画とは一線を画した岡本喜八監督のドライでリズミカルかつユーモアをもまじえたイキな演出は公開当時こそ賛否を呼んだが、味方の中に実は敵がいるといった岡本監督ならではの鋭い視点や、笑いの中から実は戦争の狂気を描出しえている点なども含め、現在で本作を好戦映画と批判する者はほとんどいない。何よりも本作は、佐藤允をはじめとする岡本映画の名優たちの快演や、ダイナミックな佐藤勝の音楽の魅力なども併せて、娯楽映画の真髄をとくと堪能させてくれるのである。映画のおもしろさとは何かを知りたかったら、迷わずこれを観るべし。(Amazonより)


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はいっ!ってワケで今日から始まりました岡本喜八 監督特集、その一発目に

取り上げますは、1959年製作「独立愚連隊」です!!





第2次世界大戦末期の北支戦線で、各隊のクズばかりを集めた“独立愚連隊”に、従軍記者の荒木(佐藤允)と名乗る男が現れ、情婦と心中したという部隊員についての調査を始めていく。今まさに敵軍が迫ろうとしている中、荒木の意図とは? そして独立愚連隊の運命やいかに?(goo映画より)





おおーーーっ!! 痛・快!!ヘ(゚∀゚*)ノ


ほい、観る前はてっきり戦争映画かと思ってましたが違いましたねー、むしろアクション映画に

サスペンスと西部劇を併せたような痛快娯楽作ですよ。面白いっ!!ヘ(゚∀゚*)ノ



敗色濃厚となった日中戦争のとある最前線部隊の中に、通称「独立愚連隊」と呼ばれる

哨戒部隊があった。彼らは各部隊の鼻つまみ者ばかりを集めた寄せ集め集団で、

周囲をぐるりと敵軍に囲まれた死地に配備されていた。
そんなある日、大隊司令部にその死地を訪れたいと一人の青年が現れる。彼は毎朝新聞社

の記者荒木(佐藤允)と名乗り、一年前に死亡した“独立愚連隊”の隊員大久保軍曹の

死の真相を調べたいというのだ。大隊副長の橋本中尉(中丸忠雄)らが止めるのも聞かず、

荒木はひとり馬を駆り“独立愚連隊”のもとを目指す…ってなお話。



戦中の中国を舞台にしていますが、ただし前述のとおりこれは戦争映画では無いんですよねー。

「戦争の悲惨さ」とか「人命の尊さ」とかいったメッセージ性は皆無で、ひたすら

エンターテインメントに徹しているのがなんとも心地よいですな♪

果たして大久保軍曹はなぜ死んだのか? そして身の危険も顧みずそれを執拗に調査する

従軍記者の荒木とは何者なのか? この二つの謎を軸に、荒木の過去を知るとみられる

従軍慰安婦トミ(雪村いずみ)や謎の馬賊・亜東(鶴田浩二)小紅(上原美佐)の兄妹、

それに食わせ者の“独立愚連隊”司令官石井軍曹(中谷一郎)ら一癖も二癖もある

登場人物たちが絡んで物語を盛り上げていきます。



で、この謎の従軍記者・荒木を演じる佐藤允さんがチョーカッコいいんですよねー!!ヽ(゚◇゚ )ノ

豪胆で人を食ったような表の顔の下に、見事な射撃の腕と強い信念を持つこの荒木という男は

まるで西部劇のヒーローのようですよ。佐藤允さんっていうとあくまでバイプレイヤーって

印象だったんだけど、こんなにカッコいい方だったんですなー♪


んでもって他のキャストもいいですよー、“独立愚連隊”指揮官石井軍曹役の中谷一郎さんも

荒木同様底の見えない男を好演していて魅力的だったし、馬賊の兄妹を演じる鶴田浩二さんと

上原美佐さんも出番は少ないながら個性の強い変なキャラを演じてインパクト大(笑)

そして精神を病んでしまった大隊長児玉大尉を演じた三船敏郎さん!!ヘ(゚∀゚*)ノ

ほとんどカメオ出演程度しか出番はないんだけど、完全にイッちゃった眼で朗々と演説を

ぶつ姿がすっげー楽しそうです(笑)





総評。

あくまで「戦争映画」ではなく「戦地を舞台にした痛快娯楽作」です。なので反戦とかいった

メッセージ性はありませんし荒唐無稽な感はありますが、クライマックスの大銃撃戦などは

ペキンパー「ワイルドバンチ」にも通じる“美学”がありますし、あるいはそのどことなく

無国籍な雰囲気からは黒澤明「隠し砦の三悪人」を思い起こす方もいらっしゃるのでは

ないでしょうか。

ってワケでユーモアあり・アクションあり・サスペンスあり・ロマンスありの

エンターテインメント大作である本作は、戦争映画や邦画が苦手な方にこそ

観て欲しいなー♪( ´艸`)   オススメです!!ヘ(゚∀゚*)ノ