- 顔役暁に死す [DVD]/加山雄三,島崎雪子,水野久美
- ¥4,725
- Amazon.co.jp
内容:連隊』と共に岡本喜八監督の出世作となった伝説的アクション映画「暗黒街」シリーズの1作。留守中に父を殺害されたアラスカ帰りの男が、ギャング団の抗争に巻き込まれながら犯人捜しに奔走する。主演は「若大将」シリーズに出演前の加山雄三。 (Amazonより)
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はい!今週の岡本喜八 監督枠は、「暗黒街シリーズ」最後の作品ですねー、
1961年製作「顔役暁に死す」です!!
アラスカの森林で伐採監督として働き五年ぶりに故郷の観光都市倉岡市に戻った佐伯次郎は倉岡市長だった父の大三が半年前に殺されたことを知った。家には後妻の久子がいた。警察を訪ねた次郎に昔なじみの細木警部は、大三は市長再選の祝賀パレードで目抜き通りの空ビルから狙撃され即死したと語った。倉岡市は東京から来た後藤組と地元の半田組の争いで恐怖の街と化していたが現市長の今村は無力を嘆くばかりで暴力団には目をつぶっていた。そして次郎の出現が二派の争いをさらにあおった・・・(goo映画より)
はい、二つの暴力団組織の抗争を背景に、市長だった父親の暗殺事件の真相を追う
青年の活躍を描いたサスペンス・アクションです。
森林伐採監督を務めていたアラスカから5年ぶりに故郷倉岡市に帰ってきた佐伯次郎
(加山雄三)は、市長を務めていた父・佐伯大三(林幹)が半年前に何者かの手によって
暗殺された事を知る。実家には次郎の不在中にその座に収まっていた大三の後妻
久子(島崎雪子)だけがおり、遺言により大三の遺産は全て久子が相続していた。
大三の死の状況を聞くべく昔馴染みの刑事細木(田崎潤)を訪れた次郎は、大三亡き後
この倉岡市が新興暴力団の後藤組と地元組織の半田組の間で激しい抗争が繰り返される
暴力都市になったこと、大三の友人だった新市長の今村龍一郎(柳永二郎)は遊園地
“ドリームランド”を設立するなど努力はしているものの暴力団に対しては何の対策も
打ててない事、そして大三を暗殺した犯人はおおよそ目星がついているものの、明確な
証拠が無い為にいまだ捕らえられていない事を知り、持ち前の行動力を武器に
独自に調査を開始する…ってなお話。
組長の後藤(平田昭彦)と側近の松井(中谷一郎)率いる新興暴力団後藤組と、
組長の半田(田中邦衛)と側近の西条(中丸忠雄)率いる地元の暴力団半田組。
大三の死にはいずれかの組織が関与しているはずと睨んだ次郎が両方に接近すると、
何者からか「大三暗殺の重要な証拠を持っている」との電話が。
次郎は早速電話の主との待ち合わせの場所に向かうが、偶然松井と西条が現れた為に
情報提供者は逃亡、また暗殺の証拠を握れば優位になると睨んだ両組織は、相手よりも先に
証拠を入手しようと激しい争奪戦を開始する…ってな展開です。
で、感想。
ストーリーは悪くないです。父の死の真相を追う次郎と2つの暴力団組織に加え、
ファタールの匂いを漂わせる大三の後妻久子や後藤組の協力者である悪徳刑事
根本(堺左千夫)、それに巧みに立ち回り情報料と称して小遣いをせしめるブン屋の
佐野(ミッキー・カーチス)や大三暗殺への関与を疑われ謎の死を遂げた男の恋人
淑子(水野久美)など、様々な登場人物の思惑が絡み合う本作は、やや急ぎすぎだったり
強引だったりするきらいはあるものの、サスペンスとしてそれなりに楽しめます。
・・・ただ、主演俳優がなぁ・・・(-"-;A
主人公の佐伯次郎を加山雄三さんが演じているワケですが、佐藤允さんとのW主演だった
前作「暗黒街の弾痕」 と違って今回は単独主演なんですよね。もちろん中谷一郎さんや
平田昭彦さんなどお馴染みの面々も引き続き出演しているもののあくまで脇役でして、
それだけに加山さんの演技力の問題が如実に顕れてしまう結果となってます。
まぁ加山さんが男前なのは間違いない事だけどさぁ・・・ちょっとこの手の作品で
一人で主役を貼るにはまだ力不足ですかねぇ。。。次郎が顔をクシャっとイタズラっぽい笑みを
浮かべるシーンのわざとらしさなんか、観たらきっと度肝を抜かれますよ!!ヽ(;´Д`)ノ 笑
それともう一個不満なのが、「暗黒街の対決」 や「弾痕」にあったユーモアの要素が
本作にはあまり無い事。ミッキー・カーチスさんや半田組の“ヘタレ”な組員三次を演じた
砂塚秀夫さんこそ今回も確実に笑わせてくれましたが、いかんせん出番が少ないんですよね。
今回もナイトクラブやヒットマンといった要素は共通してるんだし、ぜひあの妖しいコーラス隊を
また登場させて欲しかったなぁ。残念。
総評。
ストーリーの複雑な入れ組み具合ではシリーズの中でも本作がイチバンなので、
それが逆に喜八監督の“遊びどころ”を少なくしてしまったのかなと。主演俳優が
もうちょっと演技力のある方ならストーリーそのもので魅せる事が出来たと思うので、
なんとも勿体ない感じがしますねぇ。
ともあれ、加山さんの演技はある意味必見です(笑) 興味のある方はドゾ!!