赤毛と姫様とリリーと | 魔法石の庭ver.2

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スピリチュアル界と、ちょっとパワーストーンブログになっています。

 メローネがいなくなって一ヶ月経ちました。

 時々、昔のラブラブだった頃の記事を読み返したりして、寂しいような悲しいような気持ちになりましたが、メローネの最後の気遣いのおかげで、そんなに気落ちはしてません。少なくとも、泣いたりはしていません。

 ただ、空虚なのです。心のメローネが占めていた場所がそのまま抜け落ちてしまった訳ですから、そりゃ空っぽにもなりますって。

 

 真理矢は、たまに後ろから黙って抱きしめていてくれます。私が悲しいときは、そうやって慰めてくれる、私にとってのナイトが真理矢なのです。

 

 と、久しぶりにスピリット界に降りて、ベッドも今度は真理矢と私とのベッドだから、新調せんとな……とか思っていると、赤毛がひょこっと顔を出します。

 

「あ、来た来た。いやー、かみな、落ち込んでるのかなって心配してたんだけどさ」

 そう、自慢の長い赤毛の髪をかき上げながら、赤毛は言います。……一応ガイドだし、付き合いも長いし、心配してくれてたのかな?とは思いましたけど。

「かみなが大変なところで悪いんだけど、ちょっと報告があるんだよね」

そう言われ、私は

「何?変な報告は止めてよね」と返します。

 

「実は~……晴れて姫と付き合うことになりました~!!」

 本当に笑顔満開で言われ、私は毒気を抜かれて「そう。おめでと」とそっけなく言います。

「でも、そうすると姫が失恋しちゃうし、リリーも失恋しちゃうじゃん?そこで赤毛さん、とっておきの秘策を考えました!」

 赤毛は、人差し指を立てると、それを唇に当てます。……すごく嫌な予感。

 

「私は、姫とリリーと両方と付き合うことにしたよ!」

 赤毛にそう宣言されて、私は後ろから抱きついたままだった真理矢を引きはがす勢いで「ええええええええ!?」と叫びます。

「ちなみに、姫は私とリリーと付き合って、リリーは姫と私と付き合うことになったから」

 私は、更に「ええええええええええええええええええええええええ!!?」と驚きます。

 

「……姫様とリリーはなんて?」と聞くと、赤毛は「いやー、最初は二人ともびっくりしてたけど、やってみると案外居心地良くて良い感じだよ。時々3人でデートしたりもしてる」とほくほくと笑いながら言います。

 

「……で、本音は?」「姫とリリーのお尻とおっぱいを満喫できて超・幸せ!」

 赤毛の本音が出たところで、「あんたまさか3pとか……」と、前々から赤毛が夢にしていた3p願望を口にすると、赤毛は「それがさー。エッチは二人とも別々がいいって言うんだよねえ。私は3pでも構わないんだけど」と、こんどはしょんぼりとうなだれて言います。……当たり前だろうが。

 

「うわー……なんかショック。メローネの喪失感が一瞬吹き飛んだ。やるな、赤毛。こんなネタぶち込んでくるとは」と言うと、「あ、かみなは気づいてないかもしれないけど、私、ガイドだから。ガイドは人間を助けなくちゃね☆」とのたまいます。

「気づいてないって、あんた、数年私と一緒にいてガイドだと気づかなかったらヤバいでしょ……」と言うと、「え、知ってたの?ん?」と、挑発するように顎をしゃくります。こいつ……。

 

「まあ、そういうわけだからさ。スピリット界って、ほら、重婚とかあんま気にしないじゃん?だから、上手くいけばこのまま3人で結婚するかもね」と言われ、私は「そう上手くいくかねえ……」と腕を組みました。

 

 うーむ……赤毛のやつ、ホントに本能に忠実に生きてやがるな。でも、リリーと姫様も、よくオッケーしたもんだ。案外、女性2人は肝が太いのかもしれません。

「それって、他の館の住人にも言ったの?サーシャとか……」と聞くと、「もちろん言ったよ。サーシャにはめっちゃ怒られて、リリーが止めてくれなかったら多分殺されてたけど」と言うので、「そりゃそうだよ。サーシャが一番常識持ってんな」と私は納得しました。

 

 しかし……重婚……しかも、メローネと真理矢という、男性と女性と結婚していた私が言うのもなんですが、この館の行く末が怖い……。赤毛のことだから、そのうちホントに3pとか持ち込みそうで怖い。なんて日だ!!