親の言うことをきかない(無視する)小学生。(カウンセリングルームから) | まりも日和

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鳥好きライター、鳥類学講師、すずき莉萌の鳥好きブログ。
愛鳥家のみなさんにとって、ほんの少しためになる内容を目指します

小学生の女の子のお母さんからのご相談です。



「うちの子は、何度叱っても言うことを素直に聞いてくれません。


例えば、ゲームはもうおしまい、ダメ!といっても知らん顔して続けています。


親の言うことを真剣に聞かないので、


つい、ガミガミとしつこく叱ってしまいます。


すると、睨み返して、プイと部屋に閉じこもります。



ちなみに、


中学生になった長男は大人しいタイプで、娘ほど反抗的ではありませんでした。



ただ、第一子ということもあり、子育てにも力が入りすぎたようで、


何をするにも気になり、干渉しすぎてしまい、


いちいち注意をしてしまったので、


おどおどとしたところのある子どもに育ってしまいました。


あまり叱らないようにしたところ、今ではだいぶ落ち着きましたが。



娘は母親である私のことを、どうもバカにしているような気がします。


ナメられていると感じることが多々あり、親子関係に亀裂が入っています。



叱るのではなく、褒めて育てたほうがいいとアドヴァイスされますが、


娘はずぼらで成績も普通。



あまり褒められるようなところはないですし、


褒めると調子に乗るだけで、すぐにいつもの通り、言うことをきかなくなります。


それで、またクドクドと叱ることになります。



例えば、道路に飛び出すとか、自転車で左側通行を守れないなど、


危険なことなどは特に厳しく注意しても、


聞こえないふりをして逃げます。



一体、わたしはこの先、娘にどう接したらよいのでしょうか。」



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「叱られて育った子は、叱られないと何もしなくなる。」


「褒められて育った子は、褒められないと何もしなくなる。」


理学者、アドラー博士はこんな風に言っています。







常日頃、叱っていると、言葉に重みがなくなって・・・。


よほどひどく叱られないと子どもは動かなくなりますよね。


ちょっとの小言なら「ああ、また母さんは何か言ってるなあ」くらいのもので。



ではどうしたらよいのでしょうか?


褒めればいいと思いますか?



いいえ、子どもは褒めてばかりいてもNGなんです。


褒められて育った子は、褒められることが当たり前になってしまします。



すると、誰かが褒めてくれないと、


そこには行動する意味がないと考えるようになります。



ちょっとしたことでも褒められることが当たり前になっているので、


褒めてくれる人がいないと、微動だにしない大人になります。

怖いでしょう。



最近では新入社員の自己紹介で、


「自分は褒められて伸びるタイプなんです!」


と言い切る輩がいるそうですが、


そういう育ちの人かもしれません。あせる




世間一般で言われている「褒めて育てる」が、


功を奏する時期は、未就学児くらいまでではないでしょうか。



それ以降の学童期はどうしたらよいでしょう。


褒めるだけでは足りません。



その子の出来たことだけでなく、


その子の個性もひっくるめて、丸ごと「認める」時期になります。


「こういうことができるから偉い」


「これができないからダメ」


こんな言い方しか親ができないと、


子どもは「条件付きの愛」しか得られません。



そうなると、愛情のタンクがあっという間に干上がってしまい叫び


のちのち、いじめや不登校、リストカットなど、


大きな問題行動を起こす原因になります。



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さて、この御相談者さんの娘さんは、


母親のことをナメているのでしょうか。にゃー

確かにそういうところもあるでしょう。



だけど、考えようによっては、


たいへん高い「スルー力」をお持ちのお子さんともいえます。カエル



いやいや、悪いことばかりじゃないんです。


スルー力がなくて悩んでいる大人は多いですよ。



他人の評価が気になって気になってしょうがない人、いますよね。


ちょっとしたことでも、悶々と悩んでしまう人。


いちいち、人の言葉がひっかかってしまう人。



親の小言に対する「スルー力」。



それも子どもの処世術のひとつなんです。



腹は立ちますけどね、そりゃあ。



子どもだって人間です。


ずっと親のガミガミ、ねちねちを真に受けていたら、どうですか?



ストレスだって溜まってきてしまいますよ。




親の話を真剣に受け止めすぎないことで、


ストレスから自分の身を守っているのです。




この御相談者の娘さんはどうでしょう。



自分が幼い頃から、上のお兄ちゃんが母親に怒鳴り散らされて、


いつもビクビクと委縮しているのを見て育ったわけです。




「お兄ちゃんたら、ほんとうに要領が悪いんだから。



私はあんな親の脅しには屈しないわよ、ゼッタイ!ヽ(`Д´)ノ」



まだ低学年の女子ですから、


そこまで悪びれてはいないかもしれませんが、


心の底でそんな風に思っているのかもしれません。



では一体、お母さんはどうしたら。。。



もう娘さんはガミガミ言って、


あるいは、せっせと褒めてどうこうなる時期をとっくに過ぎている


そこにまず気づくことが大切です。




自分の命令をなんとか聞かせようと、


付け焼刃的に褒めたり叱ったりしても


ここから先は、太刀打ちできないということです。



ここからは、親子として心の通ったコミュニケーションが大切です。


一方的に命令するのではなく、娘さんの話に耳を傾けてください。


その上で、困ったことや直さなくてはいけないことは、


理路整然と根気強く話し合います。



どうして自転車は左側通行なのか?


ゲームを長時間することがいけないのか?


メリット、デメリット、よく話し合います。




はじめのうちは、子どもっぽい言い訳ばかりかもしれませんが、


かならず変化は訪れるはずです。




長い時間をかけて培ってしまった親子関係ですから、


気付くまでに多少、時間はかかります。



でも親子ですから、いつかは分かり合えます。



子どもに変化が現れるまでの間は、


約束ごとを守らせるようにして、


それを無視するなら物理的に強制執行もやむを得ないです。



例えば、自転車ルールを守れないなら、


鍵を預かって出かけられないようにする。



約束の時間を超えてゲームをやめないなら、ゲームは取り上げる。


約束したことを守れないのですから、しょうがないです。雨


それは子どももあきらめるはず。



ただ、その約束事は、子どもが守りようもないような無謀なものはやめてくださいね。


おやつはナシ、テレビもナシ、勉強は宿題を除き3時間、みたいな。馬



お母さんがしっかり自分の話に耳を傾けてくれるようになったと


子どもが実感できたら!




子どももまた、お母さんの言葉にもきちんと向き合うようになります。



きちんと話を聞いてくれるお母さんになら、


もっとお母さんに自分のことを知って欲しいし、


がんばっている自分のことを認めて欲しいと思うものですから。




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えらそうに書いてしまいましたが、


うちの3年生男子もスルー力はかなり高めです。



一度など、真剣に耳の検査に連れていこうと思ったくらいだったりします。


(そのわりには地獄耳なのも腹が立ちますが)


お互いがんばりましょう流れ星



「ママとの知恵比べならボクも負けないぞ。」




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