映画「Vフォー・ヴェンデッタ(V for Vendetta)」 | クラスタ民主主義システム研究室

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☆学習とディベート☆ ☆ネットワークデモクラシーを夢みて☆ 
☆教育ディベートを推進しよう☆ ☆「complex system」で思考してみよう☆「ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室」からタイトル改題しました。 

私が尊敬する博学な方から素敵な映画を教えて頂きました。。。

Vフォー・ヴェンデッタ 特別版 [DVD]/ナタリー・ポートマン,ヒューゴ・ウィーヴィング,スティーヴン・レイ

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ちょうどナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」を観た後だったので、さらに楽しむことができました。



興味深かったのは、社会を支配する支配層を討伐するために必要な「仮面」の存在です…

$ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室-V


人間は、仮面を被ると本性を表すことができるわけです。邪悪な本性を出すことも出来ますし、匿名を利用して内部告発し正義を行うことも出来る…。仮面を被って何れを選ぶか…。

こうして匿名(アバダー)でブログを書く行為も、仮面を被っている状態と類似しています。

アバダーでは、現実社会では行えないような正義を遂行することが出来るのかもしれませんね。



仮面を被る主人公のVは、支配者への復讐が動機でした…

復讐のため自らの正体を隠さなければならず、仮面を被っていた…

しかし、独房に拘留されていた時の火災で重度の火傷も負っていて、その醜い顔を隠すための仮面でもあったわけです…

仮面は、いろいろな目的で付けるんですよね…



人間が行動を起こすときの原動力は、憎しみや怒りや復讐である事が多いです。

人間は、普通は暴力を不快に感じるのですが、罰や復讐のために行う暴力には快感を感じます。

ですから、政治家やマスコミは、国民に怒りの感情を膨らませようとするわけです。

そうやって、政権転覆や革命は始まります。。。



主人公Vは復讐に燃えていたのに、ナタリー・ポートマンに愛情を抱きます。

愛を抱いているのに、醜い顔のために仮面を外して愛する人に正体を見せることができない…

主人公は、憎しみだけではなく、愛のためにも行動するようになっていきます…

愛に生きることができず、仮面を外して涙するVが悲しすぎました。



Vは、自らの思想や行動原理を大衆に広めていきます…

その象徴として、大衆がVと同じ仮面を被るわけですが…

大衆がVに染まって行く状況を暗喩するドミノ倒しの場面があって、一個だけドミノが倒れません。

Vは、自らの手で最後のドミノを取り除いて、ドミノ倒しを完成させます。

つまり、Vが大衆の支持を受けて指導者になってしまっては、新たな支配層を生む事になってしまいますから、最後はV自らも死んで理念だけが生き残る必要がある…



全体主義、
扇動する指導者、
市民の蜂起、
マスコミの真偽、
行動の理念化、
憎しみと愛の原動力、
正義と暴力、
仮面の役割、、、



いろいろ刺激があって考えさせられた映画でした。

ネタバレしてしまいましたが、よろしかったらご鑑賞ください。