口蹄疫の感染ルートを解明すべき | クラスタ民主主義システム研究室

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感染症アウトブレイクが発生した場合には、その感染ルートを追跡し、同様の過ちを犯さないための参考とするべきです。口蹄疫ウィルスは、牛に感染しやすく、牛への感染は近隣に口蹄疫ウィルスが侵入してきた事を感知する指標になると、追跡AtoZで言っていました。

また、牛での感染を豚に拡大させてはいけなかった事を強調していました。なぜなら、豚の体内では、牛より100~1000倍もウィルスが増殖しやすいからだそうです。豚で口蹄疫が発生すると、感染爆発を封じ込める事が困難になるからです。

ここで問題視すべきことは、誰が、何処で、豚に感染を広げたか?です。

宮崎県では、初めての豚への感染は、公的機関である畜産試験場で発生しています。ちょうど10例目の発症だったようです。




なぜ畜産試験場で最初に豚の感染が発生したのか…これが問題です。

畜産試験場は畜産に関する専門家が集まった組織ですから、口蹄疫が発生していたのですから、徹底した感染予防が行われているべきでした。畜産試験場の感染予防対策が不十分だったか、関係者の認識が甘かったか、いずれかのために口蹄疫ウィルスが宮崎県の畜産研究の中枢へ真っ先に侵入したのでしょう。

一番信頼されるべき畜産試験場にウィルスが入ったのですから、最初に感染が拡がっていた牛がいる農家へ行った畜産試験場の職員自らが、外部から試験場内にウィルスを持ち込ん可能性が高いです。宮崎県の畜産業界の本丸である畜産試験場がウィルスで汚染されると、汚染された施設と一般の農家を畜産試験場の職員が行き来する度に、人間がウィルスを散布して廻る事になります。


もしも最初に発生した牛の感染が畜産試験場の近所であれば、ハエやアブといった昆虫類が感染を媒介した可能性もありますが、地理的に離れているにもかかわらず畜産試験場に飛び火したのであれば、まず人間や車両を介した伝染を考えるべきです。

口蹄疫は動物によだれや発熱といった症状が出ていない潜伏期の間にもウィルスが出て感染を拡げる事が知られていますから、畜産試験場がウィルスに汚染されている事が発覚するまで、知らぬ間に畜産試験場から職員や車両を介して外部に感染が拡がっていったのでしょう。

私は、宮崎県の畜産試験場の皆さんを責めるつもりはありません。何しろ、日本では初めての本格的な口蹄疫アウトブレイクですから。しかし、こうした宮崎県の畜産専門家の認識不足と対応の不備が今回の感染を拡大させた事実を共有し、感染が拡がったルートを解明して、他県の畜産関係者に警鐘を鳴らすべきだと考えます。

失敗には学ばなければ、また失敗します。