昭和恐慌前夜の緊縮財政と消費税増税 | rxtypeのブログ since 2012

rxtypeのブログ since 2012

日本経済の一番の問題はデフレ予想です。


 財務省は8%のみならず、10%への消費税増税を強硬に推し進めようとしています。これはかつての昭和恐慌前夜に似ていて危険な兆候です。

再度、岩田規久男氏「デフレの経済学」の一節を紹介します。
デフレの経済学/東洋経済新報社

¥1,995
Amazon.co.jp
---引用ここから---
<昭和恐慌前夜>
井上蔵相は金輸出解禁と同時に、国際収支の悪化を止めようとして、財政支出を大幅に削減するという超緊縮財政政策を実施した。貨幣供給量と超緊縮財政による需要の大幅な減少により、消費者物価の下落率は30年が10%、31年が11.5%に達した。(p148) 井上蔵相が右のような政策を取ったのは、「大戦中の好況で水ぶくれした経済が、その後10年経っても整理されずに、停滞が続いているのは金の輸出を禁止しているからである」と考えたからである。そこで、彼は相当の不況を覚悟して、不良な企業を整理し、経済を活性化させ、国際競争力の強い経済を作ろうとした。しかし、タイミングの悪いことに世界恐慌と重なってしまい、経済成長は急落し、雇用が1割も減少した。 昭和恐慌によって、最も打撃を受けたのは農村であった。先にも書いたように30年と31年(略)、農産物価格だけを見れば、30年の下落率は34%に達していた。(p148-149)

<政治家暗殺事件>
このような農村の窮乏を、青年将校たちは、農村出身の新兵を教育するうちに知ることになる。31年の3月事件に始まる青年将校のクーデター参加、その後の政治家暗殺事件発生は、こうした青年将校たちの農村・農民への同情と、正義感に基づくものが多かったのである。旧平価による金輸出解禁に踏み切り、財政を引き締めることによって不況をいっそう激化させた井上蔵相も、32年2月に暗殺された。
---引用ここまで---

 さらに言えば、彼らの超緊縮&金解禁(金融引締め)政策を決めているまさにその最中にニューヨーク株式市場の大暴落が起きています。日本はその当時から既に大国でしたので、世界大恐慌のきっかけを彼らが作ったとも言えるかもしれません。

 まともにデフレ脱却できていない状況で、財政収支を黒字化しようとするという暴挙は、井上準之助の緊縮財政と同じことです。しかも、消費増税という消費を減らすのが明らかなことを今の状況で行うことは、恐慌への道です。(大げさですが)

 どのような緊縮財政だったか紹介します。(wiki金解禁より)
---引用ここから---
井上は、前内閣が定めた昭和4年度当初予算の5%にあたる9,000万円のカットを行い(予算総額16億8千万円)、続いて昭和5年度予算も緊縮型予算(予算総額16億1千万円)とした。
---引用ここまで---

 昭和4年度は5%カット、さらに翌昭和5年度も4%カット、合わせて9%もカットしたわけです。そして、極めつけは旧平価での金解禁。
 こんな滅茶苦茶な政策をやったら暗殺されるのも無理は無いですね。
 ちなみに、井上準之助と濱口雄幸および、当時の大蔵次官、河田烈(後の蔵相)は、全員、東京帝国大学法科大学院(現在の東京大学法学部)卒で、木下康司前財務事務次官、香川俊介財務事務次官らと同じ超エリートです。
超エリートは時に大きな間違いを犯すのです。

 一方、平成24年度の補正予算を含めた総額は100.5兆円で、それと今年の当初予算96兆円を較すると4.5兆円減っています。財務省らが見込んでいる消費税増税による税収は1%で2兆円です(取らぬ狸の皮算用)。予算削減4.5兆円と消費増税負担増(6兆円)を単純に合計する10.5兆円減になります。消費税を10%にするとしたら、14.5%のカットに相当し、かなり酷いです。補正予算で14.5兆円増やさないと平成24年度並にすらならないことになります。
もちろん、金融政策は大幅に改善したので、金解禁という大チョンボをやった昭和恐慌とはかなり違うとは思いますが、財政政策だけに限って言えば井上準之助、河田烈より酷いと言っても過言ではないでしょう。直ちに消費税増税は中止すべきです。

 財務省の言いなりに動いているように見える麻生財務大臣は、高橋是清ではなく、井上準之助蔵相になろうとしています!このままでは、安倍首相も濱口首相と同じになってしまいます。

 ポール・クルーグマン教授も日本の消費税増税について、「離陸寸前で急ブレーキをかけ減速している間違った政策」と酷評しています。

 安倍政権が倒れれば、民主党政権時代のような暗黒の時代に逆戻りです。そうならないためにも消費税増税は止めてもらわないと困ります。

 どうか彼らの暴走を止めてください。どうやったら消費税増税を止められるのかアイデアをください。まだあきらめるのは早いです。


↓↓↓拡散のためクリックorツイートお願いします

社会・経済ニュース ブログランキングへ
読者登録もお願いします