斬120形は皇国鉄道の急行用蒸気機関車である。

◆開発
 長らく、皇国鉄道の急行・準急行の牽引には転90形が充てられていた。同形式から発展し、さらなる高速性を求めて登場したのが本形式「斬120形」である。当初案では、それまでの機関車と同じような外見とする予定であった。しかし、少しでも速度を上げるため、空力に優れる流線型が採用された。それまで、一部の気動車などで流線形は取り入れられていたが、本格的に機関車に採用されたのは初であった。

◆構造


 高速性に特化した構造である。そのため、車軸配置は高速走行時に安定する2C(4-6-0)とされた。皇国鉄道において最も高速な機関車とされる。大型機ゆえ、多数の客車を牽引することも可能。
 炭水車と組み合わせて運用される。そのため長距離運行に適する。



◆運用
〈優等列車〉
 高速機ゆえ、主に急行列車の牽引に充てられる。
 皇国鉄道で急行は3つ運行されているが、このうち、気動車化された「ゆきぐに」(列車番号005F/006F)以外の2往復4本の牽引に使用される。

 ①海浜線の急行あさぎ号(列車番号001A/002A)は首都から南岸主要都市を結び南方へ至る列車である。本形式が最初に充当されたのはこの列車であった。同列車の牽引機としては6代目(軽30→輊40→輅50→輅70→転90→本形式)。ほぼ同時期に新製統制客車(乙140系列)が登場し、優等列車の刷新が進められていた時期である。本形式は普通車のほか寝台車などを牽引する。

軍都駅を出発する急行列車

 ②首都と西岸を連絡する急行みかん号(列車番号015A/016A)にも充てられる。この急行は、大陸方面への汽船との連絡列車であり、最新鋭機である本形式が特等車両や食堂車・展望車を牽引する豪華列車となっている。

↑編成の全容


〈普通列車〉
間合い運用で海浜線を中心に普通列車にも充てられるらしい。

 

〈貨物列車〉

旅客用機関車ではあるが、まれに貨物を牽引することもあるようで、目撃例がある。




◆評価
 この時代、軽快な気動車に注目が集まり、一部の優等列車は蒸気機関車列車から気動車へ交代していた。しかし、高速で走行性に優れ、かつ牽引力や航続距離にまさる本機の登場と活躍は、蒸気機関車の復権とも言われた。
 実際、鉄道当局も、長距離急行などには、本機のような大型機関車が必須という認識であり、今後も活躍が期待されている。



■あとがき■

テンダー式としては2作目となる、自由形(=架空)の蒸気機関車です。2021年夏製作。ブログ掲載まで2年半もかかってしまった💦
 

流線形ですが、完全な流線ではなく、動輪は剥き出しで、全体的にずんぐり感もある……過渡的な見た目です。
外見も過去の産業機を踏襲し、黒・黄色の警戒色で、あくまで実用重視の機関車という風にしました。

○機構


当初、設計上意識した点は「テクニックパーツの有効活用」でした。
動力部をテクニックで構成し強度を持たせ、さらにシステム組みの本体とは構造的に分離していました。また、電池ボックスへのアクセス向上なども考慮していました。
 

これらの工夫により強度は保たれたものの、どうも牽引力を稼げなかったので、現在は動力を抜いて被推進車としています。
高速機むけにギア比をやや早めにしていたのが駄目だったかというのが考えられる一要因ですが、そもそも内装入り奇数幅客車(重い)が牽引に向かないという可能性もあります。
現在もLモーターが内部に残存しています。抜かなきゃ……

 

↑動力解除後の様子。直後の貨車に動力が入っています


○炭水車

 


↑炭水車

 炭水車(テンダー)についてもテクニックパーツを多用しています。というか、殆どテクニックで構成されています。これにより全体的な強度がかなり保たれています。動力有りの時期はデカップリング機能がありました。動力解除後もアクチュエータが残存しています。


○外観

↑流線形時代。左から、ダブサ(ながに君)、本作、C55(関山さん)。車はながに君

 


 

もとは普通の車両(アメリカ風)として作る予定でした。しかし、新しさを求めたいと思い、流線形にしてみました。


差し色には黄色を採用しました。客車で良く使うオレンジ色は、個人的な印象として、黒との相性が微妙で使える感じではありませんでしたので。
黄色は黒と相性が良いです。過去作品でも警戒色としてよく使っており、その継承としてもいい感じです。

 


鱒寿司さんの客車とコラボ。相性良です。


ボイラーは直径4ポッチとし、細みを表現できたと思います。配管や先頭部の半球なども上手く作れたと思っています。
 

おわり