こんにちは、ぬぬつきです。2020年5月に製作した蒸気機関車についてご紹介いたします。

 

 

(蒸機オフにて)

 

※前半に架空鉄道の設定記事、後半にレゴ的な解説を記しています。

 

【皇國鉄道 転90形機関車】

 

(客車を牽いて)





◆開発
 急行用機関車の輊40形(ガーラット式)が退役したのち、急行列車には汎用型の輅50形/輅70形が充当されていた。しかし、これらの機関車は炭水車を持たない「タンク式」であり、頻繁な燃料補給を必要とする点で、長距離列車には向かなかった。そこで、皇鉄は新たな長距離用機関車として炭水車を持つ「テンダー式」の機関車の開発を決定。高速・強力・航続の三要素を兼備した新型主力機関車として完成したのが、本形式「転90形」である。

(本機が登場した当時の新聞記事)



◆構造
 缶胴の直径を大きくとり、パワーを従来車両より向上させた。また、車軸配置も速度・牽引力に優れる2-4-0(1D)となっている。


◆名称
 「転90形」のうち、「転(てん)」は、テンダー式機関車であることを示す文字で、「9」は9番目に開発された機関車であることを示す数字。一の位の数字はそれぞれの機体へ固有につけられる。(例:一番車は転91号)

 

(客車の連結作業)


◆運用・線区
 客車列車が主役であるこの時代、本機は急行列車・準急列車の牽引に使用されることが多い。本機の投入によって、遠方への所要時間が短縮された。


(急行あさぎ号)

 

・海浜本線
 輅70形を置き換え、急行列車「あさぎ」の牽引機として使用されている。
・東國線
 準急列車「かかわり」の牽引機。
・山奥本線
 準急列車「みかがり」の牽引機。


 また、牽引力をいかして陸軍の機材輸送にも使用される。

 

(プニプニ帝国から委託された装甲列車を回送する様子。皇国きっての強力機である本機の活躍の場は多い。)




◎解説
◆製作
 前回の蒸気機関車(輅70形)は、プロポーションこそよかったものの、歯車の脱落・電池交換が面倒・脱線する‥さらに機関車なのに牽引力が低い、といった問題がありました。特に、牽引力が無いと、せっかく作った客車・貨車も繋げて遊べることができず、たいへん残念でした。
 そこで作ったのが本機なのです。

・Lモーター搭載+ギア調整で牽引力増
・電池交換が楽にできる
・(最低限の)安定走行(受信性も含む)
の三点がポイントでした。

 デザインも迷ったのですが、結果的に車輪配置2-4-0※のテンダー機(炭水車がある機種)としました。

※1D、コンソリデーション、車輪の配置が [<oOOOO] 

 


◆構造
・機械配置


 

 今回もPower Function自作動力です。いままで缶胴は直径4凸の円筒パーツを使用していましたが、今回はスロープの組み合わせとし、その内部に機械をすべて詰め込みました。
 こうすることで、
 ○粘着力向上
 ○配線の取り回し良好
 ○炭水車に空間的余裕ができる
 ○側面に機械をいろいろ作り込める
などの利点があると思います。もっとも、この方法は缶胴(ボイラー)が真円になりませんが…
 
 タンク機はサイドタンクに電池ボックスを隠せますが、テンダー機はそれができないので、有用な方法だと思います。


砂箱を開けるとスイッチです。写真右では受信機を露出させています。

 

 

先輪の接続

 

炭水車の接続

 

 



・動力伝達
 動輪はBBB-L(=純正大動輪)です。
 当初の予定通りLモーターを横置きで配置しています。それを、黒ベベルギア小(12歯)→黒ベベルギア大(20歯)で底部に伝達。さらにそれを第3,4動輪にギアで伝えています。第1,2動輪はロッドによる伝達です。
 ギア比を3:5とすることで、トルクを増加させています。通常車輪・大動輪の直径の比がだいたい1:1.5ですから、この場合、Lモーターのギア比1:1で通常車輪を動かしたときと同じくらいのパワー・速度になりますね。

 

受信機の下の灰色のものがLモーター


・ロッド(連結棒)
 ロッドは、動力を伝達するという「機能」と、動くと楽しいという「外見」の両立が難しいと思います。
 今回はメインロッドも実装し、前後方向の動きも楽しめるようにしました。全体として新灰色を使用して目立つようにしました。
 なお、メインロッドを含めると全幅が11凸になるため、車両限界がある場合は、これを外して9凸幅に収めます




・造形
 最初は、8620形・9600形…といった国鉄の制式機をモデルにしていたのですが、缶胴が太くなって9200形・9300形・9400形みたいな、でっぷりした雰囲気になりました。いわゆる大コンソリデーション(大コン)。


 ディテールはいつも通りに。配管にはホース、バー、鞭などを使用。
 初のテンダー機であり、運転台の側面に乗降口を作らなくていいのが新鮮でした。ちゃんとフィグ乗り。サイドタンクが無い機関車もひさびさ。


・炭水車
 パーツが無かっt…ではなく、片ボギーだと車長が長くなるかと思ったので2軸としました(当初)。
 テンダードライブじゃないと逆に造形が自由すぎて難しかったです。7幅にするパーツが無かったので、6幅を基礎に側面に1枚づつプレートを張り付ける方法をとりました。

 また、7月の改良で連結解除装置(デカップラ)を搭載しています。Mモーターでアクチュエータを操作します。炭水車が空だったので、簡単に搭載できました。
 なお、この構造はbaard氏(海外)が発案し、さくりん氏、関山氏が洗練してきた機構であります。お三方に感謝。





 ただし、デカップラ搭載により後進時の脱線が増加しました。これに伴い、7月末に台車を3軸として解決しています。

三軸化した炭水車(見えづらい💦


◆問題点はまだ残ります、、
 ・たまにギアが外れる(修正済み)
 ・前作よりは良くなったが電池交換に手間取る
 ・やっぱり牽引力が微妙(特にデカップラ搭載後)

 

第5回佐倉ユーカリ運転会にて。うしろの駅舎はマツタケ所長さんの作品。

 

最後に一枚。レトロ艦船オフにて、ながに君のダブサ機関車と一緒に。

 

おわり