11/25日曜日
【WBC暫定タイトル戦ウエルター級】
ロバート・ゲレーロvsアンドレ・ベルト
【WBO NABOタイトル戦Sウエルター級】
キース・サーマンvsカルロス・キンタナ
【ウエルター級12回戦】
リッキー・ハットンvsビャチェスラフ・センチェンコ
【WBA暫定タイトル戦ミドル級】
マーティン・マレーvsホルヘ・ナバーロ
【ヨーロッパ&WBCシルバータイトル戦Sウエルター級】
セルゲイ・ラブチェンコvsセドリック・ビーツ
【ウエルター級8回戦】
アシュリー・ゼオフォンvsクリス・トゥルーマン
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~ミドル級戦線~
■マーティンマレー(24勝10KO1分)が南米の強打者ホルヘナバーロ(12全勝10KO)とWBA暫定ベルトを争って一年ぶりに世界タイトル戦の舞台に立つ。
マレーは昨年敵地へ乗り込みシュトルムに挑んだがドロー防衛され惜しくも敗れた。スコアも112-116、114-114、115-113と互角以上の内容だ。
その激闘が評価され当時WBC王者だったチャベスjrから声がかかるもビザが発行されず(過去の犯罪歴のため)おじゃん。それではと標的をシュトルム再戦に絞るが今度はそのシュトルムが王座から陥落してしまった。
「誰かオレとやるヤツはいないのか。みんなこぞって逃げ回りやがって」
マレーはなかなか決まらないマッチメークに苛立っていた。
しかし突如吉報が舞い込んでくる。膝の故障でリハビリに励んでいたWBC統一王者マルチネスの復帰戦に声がかかったのだ。
そして前哨戦となる今回の一戦にはWBAの暫定ベルトまで掲げられた。
ベネズエラのナバーロは持ち前の強打で速攻KOを狙ってくるだろう。アップセットの期待がかかるが世界的レベルでの戦いは未知数である。
ここはマレーが実力の差を見せつけ中盤にはストップ、もしくは大差判定で勝利すると予測だ。
~Sウエルター戦線~
■無敗のハードパンチャーキースサーマン(18全勝17KO)vsWBO4位IBF6位WBC15位キンタナ(29勝23KO3敗)は週末屈指の好カードだ。
イケイケホープのサーマンが食って一気にトップ戦線に躍り出るか、はたまたキンタナ返り討ちにしウエルターに続く2階級制覇へ突き進むか。
予測としては経験に勝るキンタナ優位と見るがサーマンの一発はこれを引っくり返す力を秘めている。加えてキンタナの3敗は全てKO負けだ。攻略には速攻が有効だろう。
キンタナはパニッシャーに対しフルラウンド激闘を制したかと思うとリマッチで1RKOされているのだ。
キンタナが序盤サーマンの猛攻を力で押さえつけ自力勝負に持って行けばキンタナの独壇場になる可能性も高いが、さてどうなるだろうか。
■ほか注目はヨーロッパタイトル戦に挑戦するセルゲイ・ラブチェンコ(21全勝16KO)だ。アマ238戦217勝を記録し2006年にプロデビュー以来無敗。現在はWBC5位、WBA7位、IBF13位といつでも世界戦の準備はOKだ。
今年6月にはカネロへ挑戦した経験もあるライアンローズを7RTKOに仕留めるなどその勢いは止まらない。
今回の欧州王者セドリック・ビーツ(35勝15KO1敗)も一筋縄ではいかないファイターだ。スピード感あふれるボクシングで相手を翻弄するスタイルはフランスのマリナッジと言った所か。
ラブチェンコがパワーとテクニックで圧倒し世界戦へ乗り出すと予測だ。
~ウエルター戦線~
■ロバートゲレーロ(30勝18KO1敗)のWBC暫定王座初防衛戦が行われる。相手は元WBC前IBF王者アンドレベルト(28勝22KO1敗)だ。ちなみに統一戦ではない。
フェザー、ライトそしてウエルターと階級を上げて来たゲレーロだが身長リーチで見るとベルトとほぼ同じだ。体格差によるビハインドはそれほど気にしなくてもいいのかも知れない。
体格と言えば6月オルティズ戦との再戦を控えていたベルトはステロイド疑惑が浮上している。身の潔白を訴えたがこの騒動のせいで試合はキャンセルになってしまった。
さてWBCレギュラーにはあのメイウェザーが君臨している。勝った方がメイとのビッグマッチへと進む可能性もある。
試合予測としてはパワーとスピードに勝るベルトだ。ゲレーロは白血病を煩った妻の治療費のため金がほしい。勝って大金を掴む事ができるか。
■あのリッキーハットンが帰って来る。そんな電撃ニュースが走った当初、世間はまだ半信半疑だった。
それもそのはずハットンが引退したのはもう3年以上も昔のこと。敗戦のショックから薬物依存に陥り、その後なんとか気持ちだけは持ち直したものの激太りした。
そしてプロモーターハットンとして第2の人生を歩んだのだった、数々のボクサーを擁し次々と大きな興行を成立させて行く。ハットンは成功を収めていた。
しかし間近でリングを見守っているうちに闘争心が甦って来たのだ。久々にメディアに出て来たハットンは見事にシェイプされていた。
さあこれはマジだぞ、とボクシング界がざわついた。マリナッジから復帰ダイレクトで世界戦まで打診されるなど世界中のトップボクサーから一斉にラブコールを贈られる。
すごい人気だ。しかしその人気の裏にあるのは話題性はもちろんだが〝ブランク空けのハットンなら楽勝できる〟という思惑に違いない。
個人的な意見としても復帰戦は慎重なマッチを組むのがよりベターだと思っていた。そうして動きを取り戻したらテストマッチをこなすだろうと。
しかし復帰戦に選んだのは前WBA王者ビャチェスラフ・センチェンコ(32勝21KO1敗)バリッバリの世界トップランカーだ。4月アップセットでマリナッジに9RTKOで敗れたもののそれまで無敗で王座を3度防衛していた。
ハットン、全盛期のボリューム感あふれるアタックを持ってすれば問題のない相手だろうが敵は己、やはりブランクだ。
例えば純粋にタイムを競うような競技であればトレーニング次第で即世界の舞台への復活も考えられるがボクシングは対人競技である。相手に合わせてコンマ何秒、数センチを計り合いながら12ラウンドもの長丁場を戦い抜く。
この勝負勘だけは実際にリングに立たなければ甦る事はない。
順調をアピールするハットン陣営だが宣伝がてらアップされる動画でスパーを披露したことはない。
復活を懸けてリングに上がるハットンを応援するが冷静に考えるとハットンの不利だろう。
ハットンは永きに渡り苦しめられたメイウェザー戦、パッキャオ戦の悪夢を振り払う事ができるだろうか。
Ricky Hatton vs. Vyacheslav Senchenko - Sat. Nov 24th - SHOWTIME Boxing