効果的な腹筋エクササイズ | 新宿四谷発 ファンクショナルトレーニングマスター 岩沢陽介のファンクショナルな日々

新宿四谷発 ファンクショナルトレーニングマスター 岩沢陽介のファンクショナルな日々

新宿区四谷でトレーニングジム「ファンクショナルトレーニングラボ クエスト」を経営、TRXシニアマスターインストラクター、ファンクショナルピラティス/マスターエデュケーター、美圧ヨガ創始者、パーソナルトレーナー、セミナー講師 etc。そんな私の日常を書きます。

最近はコアトレーニングが一般化し、よりファンクショナルなエクササイズが求められる傾向にあります。

ファンクショナルなトレーニングプログラムでは、腹直筋とその他の筋群、例えば大腰筋と連動させた強化方法がとられる事が多いようです。

しかしその場合、腹筋が弱い方は大腰筋だけでなく、大腿直筋が主働筋になり、効果的な腹筋のエクササイズにならないだけでなく、腹筋とその他の筋肉とのアンバランスがさらに大きくなることが多いわけです。

大腿四頭筋などの四肢の筋群と、腹筋の筋力を比べて、明らかにアンバランスがある場合、まず腹筋の筋力を向上させるエクササイズを優先的に行い、その後、四肢の筋群との連動を行う方が、筋力のバランスが取りやすいでしょう。


例えば腹筋の代表的なエクササイズであるフルシットアップの場合で考えてみましょう。

初心者向けのクランチの場合、寝ている状態から、頚椎・胸椎を屈曲させ、肩甲骨が床から離れるくらいで止める事が多いようです。

しかし本来腹直筋は起始部が胸骨下部、停止部が恥骨ですから、本来の働きは胸椎下部から腰椎を屈曲させることなのです。

しかしクランチではその部分は動作をしていないため、腹直筋の効果的なエクササイズとは言えないわけです。

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クランチが脊柱の角度でいうと0度から30度くらいだとすると、腹直筋がもっとも働くのは、30度からさらに30度、つまり屈曲角度60度くらいまででしょう。

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この角度は実際の動作でいうと肩甲骨が床から完全に離れたところから、第五腰椎が床から離れ、仙骨のみが床についた状態です。

この間の動作を反復する事で、腹直筋の緊張を維持し、的確な負荷をかけ続ける事ができるわけです。

だから完全に体を起こしてしまう「フル」シットアップも、上部30度では腹直筋の緊張が途切れてしまうため、効果的とは言えないのです。

もちろん股関節の屈曲が主な関節の動きである「レッグレイズ」も、当然主働筋は大腿直筋を含む股関節屈筋群であり、腹直筋は固定筋でしか使われていません。

つまり脊柱を伸展させない位置で固定させない限り、腹直筋の強化につなげる事ができないのです。


より安全で効果的な腹筋のエクササイズを行うために、まず30度から60度までのシットアップを行ってみてください。