■ふたりの5つの分かれ路 | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■5x2 Five Times Two

●フランソワーズ・オゾンの日本での新作として、昨年製作された「ふたりの5つの分かれ路」が公開。その前の作品「スイミング・プール」の評判もまあ、良かった模様なので映画館に足を運んでくれる方が一人でも多ければええデスな~と期待しておるのだが。





これは、ある夫婦の物語。別れるに至った夫婦の物語。これは、Trailerを見ればわかってしまうので、書きました。二人の結婚生活における五つの出来事、節目、といったら良いのか。だから5×2。同じ時に経験した出来事でも互いに感じ方も違う。そこから生まれる感情、思いも違う。ロマンチスト気取ると1+1=1、とか、3とか、のたまう御仁もいそーですが、そーはならない。家族は増えますがね。いや、話がまた反れてしまいそうだ。
物語の主人公は、パリに住む夫婦、ジルとマリオン。彼らは離婚を決めた。離婚の手続きはあくまでも淡々と事務的に成されていく。その別れる二人の過去が描かれていくのだという。彼らの夫婦生活。一等最初の出会いまで、話は遡っていくわけだ。








冷ややかな視線が徐々に穏やかに、やがて笑みに変わっていくとは、皮肉なものに見えるのだろうか。時は決して返ってはこない、あの日に帰りたい、など出来ないから歌になったりもするんだ。それが映画だと、やれちまうのだ。時代の遡りは、過去にもいろんな映画で描かれはしたが、一組の夫婦に焦点を絞って遡る、その様子を見る時、いったいどんな感情がわきあがるのだろうか、と。もう、この時点でオゾンの意図した何かにひっかけられている。オゾンだもの、見ないわけにはいかないデス。





キャストには、「嘘の心」「愛する者よ、列車に乗れ」「ネネットとボニ」等のイタリア系フランスの女優ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ。最近は、女優業のみならず、映画製作にも携わるようになった。映画「ラクダと針の穴」は、彼女の初監督作品。彼女はこの「ふたりの5つの分かれ路」で、昨年のヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞。
夫役のジルには、テレビ等で活躍していたのか、全く知らなかったステファン(ステファーヌ)・フレイス。今後が楽しみな俳優。マーロン・ブランドとジョニー・デップの「ドンファン」に出ていたジェラルディン・ぺラス。当方は、「男と女の詩」「マダム・クロード」「想い出のマルセイユ」以来、未見のままだったフランソワ・ファビアン。ご活躍だったデスね。いずれにしてもオゾン監督のメガネに適った俳優達が揃った、わけだ。遅かったな~公開。しかし、邦題、こうしなくてはならんのが日本の映画ファンの現状なのか。粋もエスプリもなんもありゃせんデスぜ。(2005年/製作国フランス/フランス公開2004年/日本公開2005年8月20日)


▲Trailer


▲French Trailer & Clips


▲Official site:Japan


▲Official site
(kino)
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます


●Directer:フランソワ・オゾン
●Screenwriter:フランソワ・オゾン
  Emmanuele Bernheim エマニュエル・ベルンエイム
●Cast:Valeria Bruni-Tedeschiヴァレリア・ブルーニ=テデスキ Stéphane Freissステファン・フレイス(ステファーヌ) Géraldine Pailhasジェラルディン・ぺラス Françoise Fabianフランソワ・ファビアン Michael Lonsdaleマイケル・ロンズデール Antoine Chappeyアントワーヌ・シャピー Marc Ruchmannマルク・ルシュマン Jean-Pol Brissartジャン=ポール・プリサール