つんく♂コメント 『⑬カラフルキャラクター』

モーニング娘。13枚目のアルバムです。
今回のアルバムはシングル「One・Two・Three」を含むアルバムなので、
全体的な仕上がりもクールでおしゃれに仕上げてます。
今の時代、こういう刺激が必要でしょ!
そんな感覚です。

テーマは「地球の叫び声」
地球の上には人間も住んでるけど、動物も植物も魚も微生物も
そして、石や鉄、それ以外にもいろんなモノが一緒に生息しているわけです。
人間だけが特別なわけではないんです。
というような事をテーマに21世紀になって干支的にも一回りした今、
若いモーニング娘。が歌うべき内容に置き換え、曲に仕上げていきました!

コンセプトは「10人の顔が見えるアルバム」
よってタイトルは「⑬カラフルキャラクター」となりました。


M-1 「One・Two・Three」
モーニング娘。50枚目のシングル曲ですね。
結果的に10万枚を超え、オリコン的にも「通算50作TOP10」という快挙。
本当に長く続いたなぁとも思いますし、メンバー、スタッフそして、ファンの皆様も
よくよくここまで育ててくださいました。感謝です。
そんな気持ちでこの曲からスタート!
当時のライナーノーツ→http://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-11269289099.html


M-2 「What's Up? 愛はどうなのよ~」
全員で歌唱しております。
ダンスナンバーではありますが、心意気の部分は重めのロックを
イメージしています。
RAPが入ったり、リズム的にもテクノな面もあるんですが、
サビ含めて、作った僕としてはロックスピリッツ満載でお届けします。

携帯電話、WEB、いろんなコミュニケーションアイテムが増えていますが、
この曲としては、男子にしっかり強く生きてほしい、
そして、私を力強く守ってほしいという気持ちの表れとして、
「笑って」「しゃべってほしい」というフレーズを投入しました。

ライブでも力強く盛り上がると思います。
そして、11期メンバーオーディションの合宿のダンスの課題曲にもなります。
ダンスに関して、この曲をソロで練習する場合は、
全体的に流れている一定のリズム感を体に叩き込む事です。
ダンスが上手くなる一番の方法はフリを覚えるのではなく、
リズム感をカラダに叩き込む事です。
フリや動きも大切ですが、まず、この曲が持ってるリズムをしっかりカラダに叩き込んでください。
最終的に合宿でレッスンする時はフォーメーションも決まるので
自分の役割をしっかり把握して全体としての仕上がりを感じられる人が評価になります。


M-3 「Be Alive」
全員歌唱です。
最初、バラードにしようか、元気な曲にしようか、
曲も歌詞も出来上がった後、すごく迷いました。
アレンジャーの大久保氏にも何度もリアレンジしてもらい、
聞き直し、仮歌を入れ直し、結果的に一番落ち着く
バラード始まりのサビから盛り上がるパターンで落ち着きました。

モーニング娘。のメンバーの誰かに話したエピソードとして、
「俺もこの世界で20年以上やけど、有名とは孤独の裏返しだ。
それでもモーニング娘。で居たいか?」という話をしたことがある。

僕も有名というか、ま、名が知れると共に失った何かが沢山あったと感じています。
ただ、売れてからしか感じられないものも沢山ある事も事実です。
自分自身をしっかり持って、売れてもそうでなくってもしっかり生きていきたい。
そういう思いを、この混沌とする世の中で歌ってもらいたくなり制作しました。

この曲は11期メンバーオーディションの歌の課題曲です。
歌に関して、歌は最終的に心で歌うんですが、
歌が上手になる秘訣はものまねすることです。
とにかく「あ、この人歌上手い」って思う人を
見つけたら雰囲気、歌い方、ブレスの位置まで徹底的に
ものまねしてください。
なので、この課題曲も何度も何度も良く聞いてものまねしてください。
同時に大事なのが、リズムです。
POPSにはどの曲にもその曲がもつリズムがあります。
そのリズムを早く盗んで歌にそれを感じさせます。
歌詞の意味をかみしめながら細かいリズムまでしっかり覚えてチャレンジください。


M-4 「ラララのピピピ」
道重ソロナンバー。
僕の本「ポジティブ本-プチ成功への近道-」の対談の中で当時道重が15歳くらいだったと思うけど、
彼女と会話した際に、絶対白馬に乗った王子様が家の前に迎えに来てくれると
信じている!って言ってたのを思い出した。

実際、白馬に乗って、白いタイツを履いたおっさんが家の前に来たら、
さすがの道重も警察に「変な人がいます」って通報するとは思いますが、
ま、少女時代のあの子の夢、すごく印象的でした。

前回は譜久村とのデュオでしたが、今回はソロ。
テクノPOPシリーズとして、すごくはまった曲となりました。
この曲は曲から先に出来たわけですが、その時の仮タイトルが「ラララのピピピ」でした。

で、道重がソロで歌う事となり「歌詞なぁ」って思ってたんですが、
この仮タイトルのパワーに打ち負けて、そのまま「ラララのピピピ」とし、
歌詞の内容も現実の道重の問題点かなぁ?って思わせるような
そんなお話にしました。
ただ、寝続けたかったり、白馬の王子さんに来てほしかったりね。


M-5 「ドッカ~ン カプリッチオ」
全員歌唱です。
ライブで爆発する曲を一曲は入れよう!
そう考えながらアルバムの曲作りを始めました。
でも、そういってるとなかなかそういう曲が出てこず。
最終的に一番最後に出来あがった曲となりました。

ま、その分かなり爆発力のあるロック心もあるユーロビート系の
ダンスミュージックになりました。

カプリッチオ(狂想曲)という事で迷わず、歌詞的にも難しさゼロで、
ライブで集中出来る曲として仕上げてみました。

ドッカ~ンと行っちゃってください!


M-6 「The 摩天楼ショー」
「One・Two・Three」同様、50Thのシングル曲。
大好きな曲です。
こういうディスコナンバーは僕の得意分野とさせて頂きたいんですが、
確かに得意というか大好きなんですよ。
でもねぇ。そう簡単に沢山出来るもんじゃないです。
沢山コードを使って、メロディアスにするのはある程度簡単やし、
コード展開がある程度曲のイメージを作ってくれるけど、
こういうメロディのリフがかっこいい曲って、コードも制約されるし、
そんな中でも飽きさせない魅力が必要なんですね。

この曲は新垣や光井も居た頃からデモをRECし始めてたので、
どんどんメンバーの卒業が決まっていったので寂しさも感じましたが、
入って来た9期、10期達が上手にその寂しさを埋めてくれたので、
安心しました。

何度聞いても飽きない仕上がりです。
新垣達も歌ってステージに立ちたかっただろうなぁ~。

当時のライナーノーツ→http://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-11269289099.html


M-7 「ゼロから始まる青春」
全員歌唱です。
震災以降どうしても「当たり前のありがたさ」を感じる。
今まで感謝するなんて考えなかった事に本当に感謝出来る。

モーニング娘。    のメンバー達もまだまだ若いので、
僕が今感じてるような「ありがたさ」がすべて感じられるとは思わないが、
それでもこうやって歌っててくれると、それなりの年齢になった時に
分かってくれるんじゃないかなって思う。

「老いていく」とか「歌える事」「踊れる事」なんてのも
年とってみないとわからないだろうし、怪我でもしなきゃ、
気づかない事も多いもんね。

実際俺もそうやったし、だから喉の故障で苦労もするけど、
その分今は今で大事に大事に毎日仮歌を入れることが出来るのかな。

全てに感謝だよ。


M-8 「恋愛ハンター」
新型モーニング娘。の形を明らかにしてくれたきっかけのナンバーです。
やっぱかっこよいのがサマになるってすごいことだよ。
当時のライナーノーツ→http://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-11194462008.html


M-9 「地球が泣いている」
全員歌唱です。
この曲はマジロックナンバー。
とはいえ、そのままリアルロックをするのでは味気ないので、
2012年フレ-バー満載でお送りします。

シャ乱Qでこういうしぶしぶロックやるってのもありやなぁなんて
思いながら仕上げていきました。

歌い回しが難しいので、田中、鞘師が活躍した曲になりました。
「行くしかねぇ」の「ねぇ」のところとか「君の勝ち」の「ち」あたりが
ニュアンス出すの難しいですね。

メッセージとしては、商店街レベルの人も世界のスターも
みんなはそれぞれ世界を支える人の内の一人なんだよ!
というメッセージです。

特別な人はいない、みんな自然が生みだしたものの一つでしかないというね。

でも、まあ、ライブではうんちく考えるより先に、
思いっきり盛り上がってほしいです。


M-10 「涙一滴」
田中ソロ曲です。

この曲のレコーディングを終え、すぐに本人に伝えました。
「れいな、ほんまに歌が上手くなったな」と。

たしかにこれまでもメンバーの中では歌の上手いポジションとして、
彼女の歌パートをそれなりに起用してきましたが、
今回のこの曲、一聴したらそんなに難しくないと思う人もいるかと思いますが、
短調でテンポのゆっくりなこの曲のニュアンスを出すのは本当に難しいです。

昔の歌謡曲風になら歌う大物歌手もいるかもしれませんが、
こまかいリズムやビブラート、ブレスどれをとっても
今風の解釈できちんと16ビートを感じ、少しハネていて、
でもって、きちんと歌詞が入ってくる。

これが出来るのはそういないです。

よくここまで成長したなって思います。
なので、バンドでの活動も本当に楽しみです。

そういう事を感じさせてくれる一曲となりました。


M-11 「笑って!YOU」
9期10期での歌唱ナンバーです。

ディスコナンバーですね。
でも、明るく、楽しい曲です。
初恋のピャアさを曲の中に満載にしました。

かっこよいリズムの曲ですが、あいつららしく
今出来るすべての能力を使って歌に向かってくれてます。
この感じ、本当にこの時期でしか出来ないので、
なにか本気で胸キュンですね。
矢口の「センチメンタル南向き」とかね、「初めてのロックコンサート」的なピュアさがある。

譜久村は毎回、新曲のデモをもらう度に曲に正面から向かい合い、
そして、自分なりの解釈をもって歌ってくれるので作る俺としても
すごくやりがいがあります。歌もダンスも個性的で良し!

生田はまだまだあら削りで、ずっこける時もあるけど、
レコーディングしててもダンスのフリを見てても、時にミラクルホームランを
打つ時があるんよねぇ。それがあいつの強運なるところだ。

鈴木は歌がぐっと良くなったね。後もう少し、何かのきっかけて田中や鞘師のように
グググっと歌が前に出てくると思う。もう一皮!
MCは本当に自然にしゃべれる子。
今までこういうMC回し出来る子はハロー!プロジェクトには居なかったな。

鞘師は、入った時に比べて歌い方、すごくよくなった。
まだまだ真面目な部分も多いけど、でも、もっと良くなる。
ダンスと歌の両面からモーニング娘。を引っ張ってけるとよいな。

石田は、性格的には真面目かと思わせておいて、ダンスも歌も中々の味を持っている。
強気な部分が将来良い方に転んでくれると良いと思う。
たとえばバラエティでのコメント一つとってもイキなコメントが出来るとかね。

飯窪は頑張ってるよねぇ。弱音を吐かず踊れないメンバーとしてよく食らいついてるよ。
ま、頑張ってるだけでは芸能界食っていけないけど、
でも、この調子で行けば結果はついてくると思う。

工藤、ショートヘアーにして顔が派手になってよかったね。
自分はまだ出来てないのに、他の出来てない子に教えようとする無謀なとこもあるけど、
前もってきちんと練習さえしてきてれば芸能界で戦っていけるはず。ファイト!

佐藤、ま、人懐っこさナンバー1。ここまでくればこれは才能です。
今の所、末っ子なので、何かと許されてるけど、この後11期が入って来たら
どう成長するか楽しみです。歌やリズムの事は理論的にも良く理解出来てる子ですよ。


M-12 「ピョコピョコ ウルトラ」
48枚目のシングル曲。日本テレビ系ドラマ『数学♥女子学園』オープニングテーマ
当時のライナーノーツ→http://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-11137373945.html

MVは今見てもかわいいが、こういう曲を歌ったり、かっこいい曲を歌ったり、
何でも出来るのがモーニング娘。なんだよなぁ。
って改めて思いました。