「ペンギン大好き!」/ペンギン、好き? | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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川端 裕人
ペンギン大好き!

目次
Ⅰ森に棲む妖精
  フィヨルドランドペンギン
Ⅱ楽園からの追放
  キガシラペンギン
Ⅲ ペンギン・ハウスダスト
  ハネジロペンギン
Ⅳ 影武者たちの暮らし
  フンボルトペンギン属をめぐって
   フンボルトペンギン
   マゼランペンギン
Ⅴ 風のフォークランド
  キングペンギン
  イワトビペンギン
  ジェンツーペンギン
 日本国内でペンギンに会う

折り返しにある、「本書に登場するペンギンたち」より。

フィヨルドペンギン
 海岸近くの森に棲む「森の妖精」
キガシラペンギン
 群れることがほとんどない孤高のペンギン
ハネジロペンギン
 洞窟などで集団で営巣することがある
フンボルトペンギン
 日本で一番多く飼育されているペンギン
マゼランペンギン
 南米の保護区では人間を恐れないやつも多い
キングペンギン
 亜南極の島々に棲む。呼び名通り王様の気品
イワトビペンギン
 気性が激しく、人間が近づくと果敢に攻撃してくる
ジェンツーペンギン
 性格はとても温和でおっとりしている

本書には、見慣れたものから、少々見慣れないペンギン(頭も黄色、目も金色のキガシラペンギンなんて、ご存知でした?)まで、ふんだんに紹介されている。
私たち、日本人はこの愛らしいペンギンが大好き。日本の動物園・水族館で飼われているペンギンの数(およそ二四〇〇羽)は、世界一なのだそうな。

そんなわけで、著者はペンギンを知ることは、自分たち自身を知る事だと考えた。二種類の興味を同時進行で追いかけることになった著者は、二つの方向からペンギンに迫る事になる。ひとつは、日本人がいかにペンギンに親しみ、愛するようになったのか、その歴史的経緯からのアプローチ(このテーマに沿った取材は、すでにまとめて一冊の本になっているそう:ペンギン、日本人と出会う』[文藝春秋])。
そしてもうひとつの道筋が、野生のペンギンをめぐるもの。こちらの道筋が、本書となった。

第一章から第三章では、ニュージーランドのペンギンたちと出会う旅について。
第四章は、フンボルトペンギンやマゼランペンギンなど、日本人が動物園や水族館で大量に飼育し、ペンギン人気を支えて来た「フンボルトペンギン属」について。第五章では、フォークランド諸島のペンギンたちについて、記されている。

単純にペンギン可愛い!でも、ペンギンの生態を知る意味でも、どちらでも楽しめてしまう本。イワトビペンギンに似ているけれど、もう少し穏やかに見える、フィヨルドペンギンの可愛らしいこと。何てったって、「森の妖精」だしね。

この本では沢山の写真が見られるけれど、ペンギンもその他の野生動物たちと同じく、自然環境の悪化による影響を受けている。

IUCN(国際自然保護連合)は、ここに出てくるほとんどのペンギンを、レッドリスト*に載せている。

 キガシラペンギン:絶滅危惧種
 フィヨルドランドペンギン:危急種
 イワトビペンギン:危急種
 フンボルトペンギン:危急種
 ジェンツーペンギン:準危急種
 マゼランペンギン:準危急種

 *レッドリスト:絶滅のおそれのある生物種の中から、自然保護の優先順位を
         決定する手助けとなる

やはり、ペンギン可愛い!、だけでは済まされないのかも。

そして、ペンギン、日本人と出会う』[文藝春秋]の方も、読んでみたいなぁ、と思いました。何で好きなんでしょうね? でも、私も、勿論、愛らしいペンギンが大好き!