赤の起原と リブログ”黑いチューリップスピノザその23” | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

ノルウェーのバイアスロン世界チャンピオン、ヨハネス・ブーのユニフォームは赤地と黒のグラデーションがなかなか粋だ。

でもこの赤はクリムソンとかカーマインとかの赤じゃない。すこしムラサキがかった赤。絵具で近い色を探すとDeep Rose という色が見つかった。ターレンスのグワッシュのチューブだ。

水彩でも油絵でも絵具の色の原料は「顔料」と呼ばれる。繊維とか紙を染める「染料」と顔料は違う。「染料」は水や油に溶けて繊維の細かい隙間に浸み込む。「顔料」水や油には溶けない。

水彩画で色を失敗したら、絵の具を消すことが出来る。間違って塗った色に水を含ませて絵の具を拭き取ることができる。完全にとはゆかないがほとんどの絵の具を拭き取れる。絵の具が紙の繊維に浸み込んでいないから。

少し前に「青」色の原料について書いた。人類が太古から知っていたラピスラズリという石が青色の原料だった。

「赤」は? というとなんと「虫」、昆虫から赤い色を取ったんだって。

中央アメリカと南アメリカで寄生昆虫からコチニール色素を抽出して赤の原料ができた。 コチニール・カイガラ虫を集め乾燥して砕いたものから色を取り出した。

顔料、染料ともに採れ、絵の具や化粧品に使われ、ヨーロッパで珍重された。

カーマインで枢機卿のローブを染め、イギリスの軍服を染めた。Redcoat は英国の軍人を表す言葉となった。

 

 

 

 

この顔料と染料の原料が昆虫ということは18世紀まで秘密にされていたが、生物学者がその秘密を暴露した。中南米からの昆虫から採れた赤のおかげで赤の値段は下がった。

 

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