ウルトラ怪獣DVDコレクション第2期 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

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講談社のパートワーク、「ウルトラ怪獣DVDコレクション」なのだけど、11号以降の2期発売が決定したらしい。僕はてっきり、ほかのパートワーク同様、延々と続くものとおもっていたのだけど、冷静に考えてみれば1期に採用された怪獣たちはどれも、少なくとも2話以上登場しているものに限られていた。つまり、たとえばゴモラは、ウルトラマンで前編後編にわかれていたし、エレキングは、ウルトラセブンに出て来たオリジナルと、ウルトラマンタロウに出て来たユーモラスなバージョンの2種が収録されていた。そういう人気怪獣が、そんなに何十種類もいるわけではないのだ。

というわけで、2期からは「カップリングシリーズ」と銘打たれている。なかにはどういう組み合わせか不明のものもあるけれど、だいたい同じテーマ、あるいは怪獣として同じ系統のものが一話ずつ並べられる。こうすることで、ジャミラやダダみたいな、人気はあるけれどそれほど登場が多くない、少なくとも印象深い登場の少ないキャラも収めることができる。(深い事情はわからないけれど、80とティガのあいだのウルトラマンたちは、なにかこういうときオミットされることが多いような気がする・・・。僕もこのあいだにどんなウルトラマンがいたのかよく知らない)


というわけで、11号では「カネゴン」と「M1号」という、ウルトラQに登場する変わった二体が登場する。しかも、カネゴンのほうはうわさの「総天然色」である。限定予約生産でつくられているウルトラQのカラー版である。カネゴンくらいの怪獣になると、それ目当てであのバカ高いDVDを予約しているひともいるだろうに、大丈夫なのだろうか。


ちなみに、ウルトラQのカラーは、宝島社のムックでゴメス対リトラの1話だけすでに見ることができる。僕は、セブンとタロウが大好きな少年で、朝5時の再放送(再々放送?)をはんぶん眠りながら見ていた。ウルトラQは大百科とかで存在はもちろん知っていたし、怪獣もぜんぶ記憶していたはずだが、なにか遠ざけているところがあった。白黒だし、なんだか怖そうだし、そんなものをウルトラマンの存在なしに見る勇気はちょっとなかったのかもしれない。しかし、やっぱり円谷プロの最初期の作品であって、なにかとめどなくあふれ出てくるようなアイデア、豊かなイマジネーションには、感動してしまう。うまくいえないが、ウルトラマンのシリーズのあとに、あれが外伝としてつくられていたりしたら、はなしはまたちがうのかもしれないが、逆であるというのがちょっと信じられない。というのは、要するに、ウルトラマンというのは反則なのである。撮影の手法でいえば、人類にとってのウルトラマンという存在は、特撮よりCGに近い。だから、ウルトラマンは、自然のサイクルとしては、じつは外部からやってきた怪獣とおなじ異物なのであり、そのために彼らは、太陽エネルギーを原動力にして、つまり地球上の生物とおなじ文脈にみずからを落とし込んで、活動時間3分という厳しい制約を課し、用が済んだらすみやかに退去するのである、というのが僕の考えです。

いずれにしてもウルトラQには、物語のなかに、すでに特撮的な、ブリコラージュ的な哲学が底流しているようにおもえる。このシリーズも含めて数話確認したが、いまだに、ただの人間があんなでかい怪獣をどうやって倒すのか、うまく想像できない。たぶんその系譜で、古いウルトラマンほど、科学特捜隊、あるいはウルトラ警備隊のにんげんたちが活躍する。それがタロウくらいになるとかなり変わっている。ZATなどはもはやマスコットキャラクターみたいなものである。それがいいのだけど。



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