次のためのお別れ~シロウちゃんのお話 その3~ | 鳥の保護活動/TSUBASAみらくる日記

次のためのお別れ~シロウちゃんのお話 その3~

今日は、TSUBASAの保護施設「とり村」周辺ではみぞれが降ってくるほど
気温が下がって、とても寒い一日でした。
皆さま、どうぞ温かくしてお過ごしください。

さて、ありがたいことにファンの方ができてしまったシロウちゃん@コバタン
(約35才)のお話の続きです。

前回までのお話はコチラをご覧ください。
「次のためのお別れ~シロウちゃんのお話 その2~」

自分で食べてくれる自己採食を願っていたのですが、確かに自ら食べては
いましたが、体重が下がる一方で、ついに強制給餌(そのうに直接ご飯を入れること)に
切替えることになりました。
強制給餌は、シロウちゃんを保定しなければならないし、本鳥も決して気持ちの
いいものではありません。でも、これ以上体重が減少してしまうと命の危険もあった
ことから、強制給餌に踏み切りました。

これが功を奏してくれたようで、減少傾向にあった体重が、キープをしつつも
少しずつ着実に体重が増えてきました!
そして、以前に比べて自分でもよく食べてくれるようになり、強制給餌は1日1回で
済んでいます。

以前は目がショボショボとして、スタッフがいなければウトウトとしていて、
とても元気がいいとは言いがたい様子だったのが、体重が増えてきたことにより、
目の輝きが増して、活き活きとしている様子が1日の大半を占めるようになってきました!

$TSUBASAみらくる日記

シロウちゃんは毛引きをしていたとのことで胸の部分に羽根がありません。
おかげで(?)、そのうに食べ物が入っているかどうかは一目瞭然で
目視だけでチェックができます。水だけで膨らんでいる場合もあるので、
ちゃんと食べ物が入っているかは触ってみて確認をします。

このそのう部分が膨れていると、ちゃんと食べてくれている証拠。
「巨乳だ!巨乳だ!」(※シロウちゃんは男の子)
とスタッフは大喜びです。
そんな様子を見て、シロウちゃんも楽しそうにおしゃべりをしてくれます。

$TSUBASAみらくる日記

活き活きしている様子。
こちらまで笑顔になります。

35年も暮らしていた環境や食べ物を変えることは容易ではありません。
シロウちゃんの心のケアも大切ですが、引き取った鳥さんたちがどの段階で
気付いてくれるのかは本当に分かりません。
シロウちゃんの場合は、強制給餌をしているとは言え、自分でも食べてくれる量が
増え、体重も増えつつキープをしていることから、
「ここが自分の新しい家なのかな」
と気付いてくれて、ある意味、腹をくくってくれたのか、それとも、新しい
環境やスタッフに慣れてくれたのか、シロウちゃんの気持ちはシロウちゃんにしか
分からないので、何とも言えません。

そんなことを思いつつも、スタッフは、とにかく鳥たちにとって最善を尽くして
いきたいという気持ちで毎日お世話に励んでいます。

「シロウちゃん」 「エライねぇ~」 「おはよっおはよっ」
シロウちゃんのおしゃべりレパートリーです。
強制給餌を終えて、保定されていたタオルから解放されたら、
「エライねぇ~」と言っていました。
ホント、シロウちゃんはえらいねぇ~。
頑張って、モリモリ食べて、一日も早くお客さんたちにも遊んでもらえたらいいなと
願っています。