埼玉県の歴史教育に関する穏健なる提案 | Short+α

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「国旗・国歌、嫌いなら辞めよ」=起立しない教員に-上田埼玉知事

 上田清司埼玉県知事は1日の県議会本会議で、県立学校の式典で君が代斉唱時に起立しない教員がいることについて「式典のルールに従って模範を示さなければならない教員が模範にならないようでは、どうにもならない」と述べた。その上で「そもそも、日本の国旗や国歌が嫌いだというような教員は辞めるしかないのではないか。そんなに嫌だったら辞めたらいい」と強調した。
 君が代斉唱時に起立しない教員がいることへの解決法を民主党県議からただされ、答えた。これに対し、共産党県議団は「思想と良心の自由を定めた憲法19条の規定をないがしろにするもので、700万県民の代表にふさわしくない危険な発言だ」とし、撤回を求める談話を団長名で発表した。 


小・中・高と埼玉県の公立学校に通っていた立場から言わせていただきますと、やっとまともなことを言ったかという感覚です。


中学校と高校では日の丸と君が代を習いましたが、小学校では全く学んでいません。

国旗や国歌に対する礼儀やマナーを学んだのも家族からで教師からではありません。


小学校で学ばなかったのはそれだけではなく、まともな歴史を学んでいません。

小学校の歴史教育は教科書ではなく教師の用意したプリントで、その内容は左翼思想丸出しのものでした。それも、近代史だけでなく、原始から古代~奈良~平安~鎌倉といった歴史の流れの全てがです。小学校時代習った歴史というものは今では完全に否定されている学説ばかりでした。縄文時代の年輪のある骨とか、奈良の大仏の建立に大勢の庶民が奴隷としてこき使われたとか、現在では否定されている学説ばかりがプリント記されていました。

私は小学校で歴史を学ぶ前に歴史を一通り学んでいました。と言っても、左大臣時平北家起つ のような詳しい流れまで掴んでいたわけではありません。ただ、マンガで読む日本の歴史を全巻持っており、愛読していたおかげで、小学校で習うような歴史の内容は頭の中に入っていたのです。

そうしたマンガで学んだ日本の歴史と、教科書に載っている歴史は大差ありませんでしたし、それはそのまま中学入試に出るような歴史でもありました。しかし、小学校が用意したそのプリントは明らかに間違っていると確信できました。自分の知っている歴史とあまりにも違うだけなら自分が間違っていると考えることもできますが、そのときはプリントのほうが間違っていると確認できたのです。テレビや本で学んだこと、中学受験に出るようなこと、こうしたことと全く相反する歴史の内容だったのです。

中学・高校と進み、大学で歴史を専攻し、今もこうして歴史小説を書いているわけですが、歴史という学問は調べれば調べるほど新しい事実が現れ、無数の学説が誕生する学問です。自然と数多くの学説と出会い、その学説を否定する新たな学説にも出会いますし、中には今まで自分が信じてきた歴史が間違っていることも悟らなければならない学説にも出会います。

そのとき、自分の歴史観と異なる学説を否定するのは非常に簡単です。ですが、学説のほうを受け入れて自らの歴史観を改めるのはとても困難です。特に、自分の信じていた歴史観を全否定するような内容だとそれが顕著です。


彼らは理解しているはずです。ただでさえ左に偏っている教科書でさえ、載っている内容が自分の歴史観と異なると。左に偏っていようと新たな事実を載せ続ける宿命のある教科書は彼らにとって都合の悪いものなのでしょう。

そのとき彼らの選んだのは、自己の歴史観の修正ではなく、教科書のほうの、ひいては自己と異なる全ての学説の否定です。

そして教えるのは自分たちの歴史観のみ。

一個人ならそれでも許されますが、彼らは歴史を教える義務を持つ教師なのです。


日の丸や君が代に反対するという個人の意志を捨てろと命ずることはできません。それは個人の自由です。

ですが、それを教えないというのは論外です。

それが自分の歴史観に反する内容であろうと、国旗とは何か、国歌とは何かを教えるのは教師の義務であり、現在の学説に基づく歴史を教えるのも教師の義務です。

その義務を果たすがゆえに彼らは税金で給与を得ているのであり、その義務を果たさない以上、教師は税によって養われるのに失格だと言わざるを得ません。


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