空の声が聞きたくて、風の声に耳すませ。
海の声が知りたくて、君の声を探してる。
auのCMでお馴染みの「海の声」。
なんと難しい歌なんや。
それを本職ではない俳優の桐谷健太が歌ってる。
この歌をどう歌うか?
そこに歌うたいの才能がかかってる。
これは歌詞が篠原誠、曲が島袋優。
言って見ればBEGINが作った歌。
沖縄感がいっぱい詰まってる。
空の声が聞きたくて風の声に耳をすませる、のか。
いや~、風の声に耳をすませることはあっても、空や海の声を聞きたいと思ったことはない。
こんな歌詞を思いつくのは、如何に自然と深くかかってるかの密度の差だと思う。
これを沖縄の人じゃないのが歌うのは、とても難しい。
メロディー自体も、とっても難しいから。
はぁ~、やっぱり三味線があうね。
というか、音を聞くと、これは三線かな。
沖縄の曲には、よく三線が入ってるから、三線やろね。
これをどう歌うかだけど、これは乙姫様を思う浦島太郎の心境を詞にしている。
つまり、ラブソングや。
そういう前提で歌わないと、意味がわからんくなってしまう。
さあ、あんたなら、どう歌う?
愛を歌うのか、それとも、自分の心を歌うのか。
将又、永遠に続く想いを歌うのか。
難しいところや。
それはその人が「人を愛する」ってことを、どう捉えているかによって歌い方は変わると思うんやけど。
それをどう表現するか?
難しいと思うよ。
それは歌が難しいんじゃなくて、その想いをどう伝えるかが難しいんや。
しかしやな。
単純にこの歌のキーが高いからとか、メロディーが覚えにくいからとか、そういう理由でこの曲が難しいと言うてるレベルの人は、この歌を歌い切るのは無理や。
そういう話じゃないから。
この歌を歌うのは。
「島人の宝」でもそうだけど、その歌詞の中にどういう意味があるのか。
そこがわからず歌ったって、誰も褒めてくれんわ。
その想いを歌にするから、人は拍手を送ってくれるんや。
こういう曲は気持ちで歌うんや、気持ちで。
いや、なんでこんなことを急に言うかというと。
これを8月のライブでやる予定なんやけど、ボーカルが「やらないといけないですか?」という超弱気な発言を連発してるからや。
無理だと思うならええわ。
うちが歌うから。
気持ちで負けてる奴に歌わせたって、ただの雑音や。
でも、これを今日の歌声カフェでやるんやけど、歌の先生がどう歌うか。
そこに注目したい。
歌ってのは小手先のテクニックで歌うだけでは誰も感動しない。
いくらカラオケで良い点数を出しても、それはただ旋律を外していないとか、歌いだしのタイミングが合ってるというだけの話。
歌ってのは、そこに何が込められているか。
そして、それをどう表現するか?
上手い歌うたいってのは、その表現力がある人を言うんや。
上手く歌おうと思って必死になってる人の歌なんか、誰が聴こうと思う?
危なっかしくて安心して聴いてられんわ。
そうやろ?
音楽ってのは、究極的にはそこに在る何かを表現することなんや。
わかるか?
それがわからん人は人前で歌う資格がない。
ほなな。