キング・アーサー(4点) | 日米映画批評 from Hollywood

キング・アーサー(4点)

採点:★★★★☆☆☆☆☆☆
2004年7月21日(映画館)
主演:クライヴ・オーウェン、ヨアン・グリフィス、キーラ・ナイトレイ
監督:アントワン・フークア
製作:ジェリー・ブラッカイマー


 「パイレーツ・オブ・カリビアン 」、「アルマゲドン」のジェリー・ブラッカイマー製作の作品ということ、そしてキーラ・ナイトレイが出演しているということでかなり前から見たかった作品。


【一口コメント】
 キャスティング・ミスの影響の大きさを教えられた作品です。

【ストーリー】

 その昔、ローマ帝国の支配下にあったイギリス、ブリテン。そこでは帝国からの独立を求めるブリテンのゲリラ=ウォードと、残虐な侵略者であるサクソン人との間で激しい戦闘が繰り返されていた。ブリテンの血をひくアーサーは、この時ローマ軍の司令官として無敵を誇る円卓の騎士を率いて“ハドリアヌスの城壁”の死守に当たっていた。しかし、衰退し始めていたローマ帝国はブリテンからの撤退を決定し、アーサーに、サクソン人に包囲された北部の地からローマ人一家を救出せよ、と最後の指令が下される。そしてアーサーはそこで囚われいた女性グウィネヴィアを救出する。グウィネヴィアは、ローマ帝国に仕えてブリテン人と戦うアーサーを非難、サクソン人の前に滅亡の危機に瀕したブリテンのために一緒に戦うよう迫り、アーサーはブリテンのために戦う決心をする。
 救出後、ハドリアヌスに戻るアーサーとその騎士達、そしてそれを追う侵略者達。帰路の途中の氷上の戦いで円卓の騎士の一人が命を落とす。そして戦いの舞台はハドリアヌスの城壁にうつり、最後の戦いが始まる。

【感想】

 円卓の騎士とアーサーの友情には少し胸を打たれたものの、「何か物足りない!?」というのが見終わった直後の感想。というのは、映画には6人しか出てこなかったけど、円卓の騎士って13人じゃなかったか?とか、アーサー王伝説で最も有名な聖杯は?どこかに出てきたか?など、自分の知っている伝説の内容と重要な部分で大幅に内容が異なっていたからだろう。
 それと映画の冒頭が円卓の騎士の一人ランスロットの幼少時代から始まるのだが、その必要性がわからない。ランスロットが作品の中で重要な人物であることは確かだが、最重要人物かと言われるとそうではないし、それ以前に幼少時代を描く必要性がまったくない。冒頭以外でランスロットの幼少時代が、作品に影響を与えることは決してなく、自分が撮るならば、アーサーが聖剣エクスカリバーを岩から引き抜くシーンを冒頭に持ってきたのだが・・・。

 そして全体を通して、作品に入り込めなかったのがこの作品の点数を下げた最大の理由です。その原因はアーサー王役のクライヴ・オーウェン。円卓の騎士達はそれぞれ個性があって、それぞれの役にあったキャスティング(特にランスロット役のヨアン・グリフィスは素晴らしい)だったのだが、一番肝心なアーサーのキャスティングはどうだろう?演技そのものは良くも悪くもないのだが、王としての威厳に欠けるというか、「
ロード・オブ・ザ・リング 」シリーズのアラゴルンのキャスティングが強烈に残っているため、それと比較するとどうしても今回の作品は物足りない。
 映画で一番重要なのは脚本だと思っていた(今でも変わらないが・・・)が、キャスティングの重要さというのを改めて認識しました。主人公のキャスティング・ミスというのがここまで作品に入り込めなくさせてしまうということを教えられた気がします。