四つの心配 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

四つの心配

 そうした中で、以下の心配があります。
 一つは、来年から国による生産数量目標の配分が無くなることです。もちろん各地域での取り組みは必須ですが、国による都道府県別の配分は行わないのです。
 二つは、30年産から10アール7,500円の直接支払交付金が無くなります。もちろん、この財源720億円をどう活用するかは今年の夏の議論になります。
 三つは、コメの在庫が、200万トンに上っており、これが需給を緩めていることです。
 四つは、毎年8万トンにも及ぶコメの需要減が続いていることです。こうしたなかで、今年の、そして来年からの米価水準はどうなるのかという心配です。

 

 

【収入保険制度の導入だけで十分なのか】

 

 ところで、31年度から、農業災害補償制度を見直して農業経営収入保険制度が導入されます。青色申告を行っていないと対象者になれませんので、とりあえず、青色申告の申し込みが必要ですが、農業者の青色申告制度への加入者は40万人程度です。早速加入申請を行いましょう。JAが相談に乗ってくれます。

 

 心配なのは、この収入保険制度の導入とも関連して、これからのコメ政策がどこを向いて動こうとしているのかということです。上記の4点のことについて十分な情報が伝わらず、行き先不安とそのための覚悟ができていないことです。私の心配は、収入保険を行うから、あとはどういうコメ生産を行うか、どういう価格形成や流通を行うか、「それは生産者の自由ですよ」ということではないのか、という心配です。

 

 今年のコメは、これまで通りなので、しっかり取り組んでおいて、必要な対策は今年の秋を終えてからにしよう、という判断も確かに成り立ちます。ただし、収入保険制度は青色申告が前提ですので早めの申請が必要です。もっとも、自分はこれまで通り「ナラシ」を選択するということであれば、収入保険制度との併用はありませんので、青色申告の心配はありません。

 

 

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