問題は需給調整の仕組みが無くなることだ | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

問題は需給調整の仕組みが無くなることだ

 私が懸念するのは、30年産から国による生産数量目標の配分が無くなった後、どんな対策で、需給均衡を図るかです。これまで通り、水田フル活用や飼料用米の対策があるので、それを基本に、各地の皆さんがこれまで通り需給均衡を図る責任を持つということです。農水省も、その方向で各地を回っています。

 

 しかし、心配は尽きません。都市近郊地域のコメ作りはどこかが崩れかねない。買い手の業者が買いに入ると思います。ましてや生産数量目標の達成が条件である10アール7,500円が無くなるからです。だから、ポイントになるのは、この7,500円(総額720億円)の予算を今後どう生産数量目標の達成の誘因として活用するかです。

 

 これを例えば各県の産地交付金の増額に当て、各県が、飼料用米や麦や大豆や野菜等の水田利用の作付けの奨励等として活用することです。また、これまでの米穀周年供給・需要拡大対策として各県1億円程度だった予算を倍々増させて、新しい需要対策や輸出対策等に当てることも考えられます。ともかく、コメの需給均衡をはかる対策として活用することです。

 

 また、生産数量の目標達成と連動していたナラシは、目標が無くなると連動させることができません。しかし、これをどう工夫するか。国の配分が無くなっても、県や自治体のこれまでの目標の基準があるので、それを踏襲して連動させることが出来ないのかとも考えます。しかし、どこかから崩れてくる心配があります。

 

 

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