この「しりとり物語9」というテーマのBlogでは、2017年1月からスタートしたFMおたる「木曜Cheers!」内のコーナー、「しりとり物語~しりとり御籤(みくじ)」のストーリーをご紹介して参ります。コーナーの仕組みはこちらのBlogをご参照下さい。


しりとり御籤~第4話「ねじ式(ねじしき)」

「はいっ!失せ物はねじ式っ!」
「はぁ…。」
「見方をちょっと変えれば上手くいく。ただし、あまり考えすぎると駄目になるので注意が必要じゃ。」
「・・・。」
「以上っ!」
「え?何でですか?何で『ねじ式』からそういうお告げに?」
「知りたいか?知りたいのかい?お兄ちゃん。」

質問したことを、少しだけ後悔した。この人は今、喋りたくて仕方がないというオーラが全身から溢れ出している。

「ええ、まあ、そりゃ・・・。」
「では、お教えいたしましょう!『ねじ』だけに、ひねるとグイグイ進んでいくが、あまり頭を使いすぎると、バカになるのでご注意を!」

だんだんこの人が、噺家さんに見えてきた。

「質問ついでに、もう1つ良いですか?」
「なんざんしょ?」
「最初に引いたこの紙ですけど、これってタブレットで使うキャラを決めるためだけのものだったんですか?」
「お兄ちゃん!キャラってあんた!神様相手にキャラってあんた!」
「じゃあ、他のキャラ…いや、神様の場合もあるんですか?」
「おうよ、あるとも、あるともよ!」
「でも、それって画面上の演出以外に、何か意味があるんですか?」
「あるに決まってるじゃないのよ!悩み事の相談だって、誰が相手でも良いってもんじゃなかろうが。今のお兄ちゃんにぴったりの神様が、ちゃーんと箱から飛び出してるんでございますよ。」

一定の説得力は感じられた。疑いを持ったのは、このおじさんがいかにも胡散臭いタイプだからだろう。

「では、次に参るがよろしいか?」

まだ幾つか訊きたいことはあるが、とりあえず次を引いてみるとしよう。

「はい。良いですよ。」
「続きましてぇ~は、旅立(たびだち)でございます。」

今更ながら、恵比寿様にお願いする気持ちを込めつつ、俺は赤丸をタップした。

(つづく)

この週の採用ワード
木更津(きさらづ)※「づ」で始まる言葉は極めて少ないことから、今回は「ず」で始まる言葉も含めます。