学校を真ん中に地域が繋がる仕組み~コミュニティ・スクール制度 | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

12月4日(火)は文部科学省へ。

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「平成24年度 地域とともにある学校づくりフォーラム」に参加してきた。この取り組みは文部科学省が推進している“地域の力を学校運営に活かそう”という取り組みの一環のイベント。

「コミュニティ・スクールや学校支援地域本部、学校関係者評価等を活用した、地域とともにある学校づくりの充実方策について、教育委員会、学校関係者、地域の人々を交えて協議を行う推進協議会(文科省HPより)

今年は全国7会場で実施し東京会場が今年の締めくくりで全国から約500名ほどの参加者が来場されたと発表していた。教育現場ではかなり注目度が高いようだ。

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このコミュニティ・スクール制度に注目している。


コミュニティ・スクール制度とは?

小学校・中学校において学校運営協議会というボードを設けて地域の人たちが学校運営そのものに関わるという仕組み。具体的には教職員の人事や教育方針の策定に関わり、放課後を開放し地域の方々が“得意技”を披露する講座を設けたりする。例えば小金井市ではこれまで「学校運営連絡会」という会を設けてはいるが、特に「意見を言う」に留まり校長・副校長が「耳を傾ける」という具合。確かに何もない状態から考えると地域に開こうとしているのは理解できるが、これを一層進めた形がコミュニティ・スクール制度(学校運営協議会制度ともいう)。

三鷹市は小中一貫教育をコミュニティ・スクール制度を基盤として進めてきており、一定の成果を実感しているという。この制度をはじめて8年経過した現在、全国に約1,200を超える幼稚園・小中学校で導入されており、文科省としては3,000校を目処に推進していくという(全国の小中学校の約1割にあたる数字)。

※コミュニティ・スクール制度とは?

↓全国の導入状況
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選べない小中学校

公立の小中学校は学区が決まっている関係上、住んでいる地域によっておのずと通う小中学校は決まる。学校を選べない為、その学校に通うのが嫌なら引っ越すしかない。これまで行政や議会などは「開かれるべきだ」として色々議論され具体的に行動されてきたが、学校のみそれは対象外。賛否はあるかと思うが、これからは地域ぐるみで子どもを育てる仕組みが必要だと思う。また、もっと学校ごとの特色を持っていいと思う。そしてそれは地域の人が参加して決めていく。どうせ学習指導要領で学ぶべき授業は大枠決まっている。しかし自由裁量でできる部分は最大限に学校ごとに何をポイントとするか決めていけばいいと思う。コミュニティ・スクール制度と連動して学校評価制度をしっかり運用していけばいいのではないかな。ここで重要なのは教職員もその目標に向かって一緒に走ること。


社会性のない子どもたち

現代の子どもたちは社会性がない(希薄)と言われる。なぜだろうか?
理由は様々あるので枚挙に暇がないが、その一つとして気になってるのは「安全過ぎる場所に閉じ込められている」ということ。子どもの頃から「あれはダメ」「ココはダメ」と安全地帯にいることを強制されさらにその枠は狭くなるばかり。ところが高校を卒業すると急に自由選択の場に出くわす。「勝手に羽ばたいてくれ」と言わんばかりに。さらに社会人になると「コミュニケーション力」とか「課題に柔軟に向き合う力」などが求められる。これまで温室で育てられた動物が、いきなりサバンナに放り出されて生き延びよ、と言われているみたいだ。できるわけがない。

しかし、残念ながら子どもが自由に遊びまわれる場所も安心して開放できる空間も少ないのが現状。ある程度温室になるのは仕方がない。ではその中でも社会性を育てる工夫はどうすればいいか?そこには家族や身内、隣人でもない「他者」の存在が欠けているのではないか。「他者」とは?解りやすく言うと「寅さんみたいな人のこと」だとこどもパートナー(認証講座)の講義で聴いたが、その通りだと思う。寅さんは極端な例としても、色んな価値観を持った大人と接して様々な価値体系を知ることが大切なのではないか。


防犯対策、いじめの兆候に気づく「眼」、災害時対応にもなる

地域で顔見知りが増えると防犯にも繋がる。また昨今問題とされて話題のいじめの兆候に気づきやすくなる。地域に色んな「眼」があるからだ。その見られていることを認識して生きることは決して悪くはない。人が自分の存在を認識できるのは自分以外の人間の自分への認識を感じた時だという。地域に自分を知っている人がいる、逃げ場がある、見られている。そんな環境が必要なのではないかと思う。また災害時にも地域の力は大いに役に立つ。それは3.11の時にも釜石で実証されたという。確かに日頃から地域の人が学校に出入りして関わっていることでその経験は災害時に役に立つ。対応が迅速にとれるからだ。


小金井市の学童にみた「地域コミュニティの可能性」

小金井市の学童の合同運動会をこの秋見学に行った。父母会が仕事の傍ら全て自分たちで企画し、準備し、運営していたのだ。そのパワーと絆は生半可なものではない。(小金井市学童大運動会はこちらの記事を参照ください)大切なことは、学童という場を核にして一つの大きなコミュティが形成されていたこと。子どもを真ん中に置くとそこには様々な地域の人が関わる可能性を持っていると感じた。


教師の対応力の課題

ここのところ、何かあればすぐさま「ナントカ教育」という名に変えて教育現場へ要望される。数えれば100くらいあるのでは、と言われている。しかし今の教育現場はそんな幾多の社会からの要望に応えられる現場ではない。教師が疲弊し子どもへの対応すら充分でもないとも言われる。
三鷹市の教育委員長(昨年まで教育長)の貝ノ瀬氏はコミュニティ・スクールの推進者として知られているが、「教師の仕事を楽にするつもりはない。しかし、これ以上は無理だ。だから教師の力を10とすると、それに地域の力を2足せば、もっといい教育現場ができる」という。


これをやるだけで全てが解決するわけではなく、またデメリットもあるだろう。人口縮小の波、超高齢化の波はそこまで押し寄せている。もう国には頼れないし市もアテにならない。ではコミュニティが継続できる仕組みを現実的に考えていくべきではないか。

「学校を各地域の真ん中にして、地域が繋がる」

それが実現できるかどうか、しっかり考えていきたい。

↓コミュニティ・スクールの概要チラシ
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↓コミュニティ・スクールの推進
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