学保連大運動会にみる、地域コミュニティのニーズ | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

昨日、我が小金井市に9つある学童保育の合同運動会(学保連大運動会)を覗きに行ってきました。『小金井の学童は凄い』と聞いていた。また『運動会は凄く盛り上がる』とも聞いていた。学童保育に入所している子どもは「小学校の運動会より楽しい」と言うらしい。どんなものかと思い2歳の息子を連れて行ったが、噂に違わず凄い盛り上がりだった。


オトナが熱くなっている

おおよその理由はすぐに理解できた。子どもも当然楽しそうにかつ真剣に競技に取り組んでいるのだが、何せ大人が凄い。少しムキになっているのでは?と首をかしげたくなるほど、熱い大人を何人も目にした。真剣に悔しがる人々、仮装しているお父さんたち、役割りをしっかりこなすOBや関係者。応援も半端ではない。しっかり応援団形式で昼食時は応援合戦をしている(ダンスなど披露)。結局、大人たち(父母、OB・OG)の関わり方が半端ではないことがこの運動会をより一層楽しくさせているのだ。

父母会構成の7~8割はお父さん

小金井の各学童にはそれぞれ父母会という組織がある。その父母会に出てくるのは7~8割はお父さんだという。普段仕事で忙しく、こういった子ども関係の付き合い・役割は母親が主かと思いきやそうではないのだ。小金井の各学童で毎年キャンプなども企画して行くそうだが、それも名物行事の一つとなっているそうな。キャンプファイヤーも毎年盛り上がり、小金井学童保育連絡協議会ではその報告会が楽しみの一つだという。

“地域コミュニティのひとつ”

今年埼玉で開かれた「全国研 in さいたま」という全国の学童保育イベントの分科会で小金井の父母が第三分科会で報告している動画を拝聴した。≪テーマ ; 父母会(保護者会)の役割とその活動≫
ここでは学童の父母会というものが『ひとつの地域コミュニティ』だと語られている。
“寝に帰るだけのまち”だったところ学童に入所してその父母会で仲間ができ、主体的にその活動に取り組むようになるという構図。これまで地域での活動をしなかった人でも同年代の子どもを持ち同じ地域に住む人々と知り合い会合を重ねお酒を交わすうちに、より関係が強化されるのだろう。



▼小金井市学童保育について(「全国研 in さいたま」第三分科会報告より抜粋)http://koganeigakuhoren.blogspot.jp/2012/10/2012-in.html

・小金井市では学童保育所ごとに父母会がある
・市が策定した運営基準(2008年策定)の中に父母会について言及している(大きな役割として定義されている)
・受け入れは3年生まで/障害を持ったお子さんは4年まで/待機児童なし(希望者全入が原則)
・学保連(学童保育連絡協議会)は現役保護者のみで構成
・名物行事=大運動会(今年で33回目)※運動会実行委員を形成し父母のみで準備をしている
・毎月代表者会議があり、その後毎回飲み会で懇親を深めている
・行政との連絡協議会がある(2009年に設置)。毎月運営について意見交換している
・広報誌「さくらもち」(毎月発行)「学保連スポーツ」発行で情報共有
・やめない率=平均で約9割 3年間やめずに通っている


“関わる”環境をいかにつくるか

仕事も家庭もその他の付き合いもあるし、初めは関わることを避けたいと思っていた父母も多かったかもしれない。でも関わるうちにそれが日常生活を構成する一つの要素となり、子どもも含めて地域と繋がる網となるようだ。学童の父母会だけではなく、この仕組みの要素を色んなことに当てはめて考えてみる必要はあるのかもしれない。世間では地域コミュニティが崩壊した、と言われるが今の時代のライフスタイルと生活者のニーズをもっと読み解くと、これからのコミュニティの形が見えてくるのではないか。学童の運動会をみて、そう思った。

父母の皆さん、関係者の皆さん、お疲れ様でした。お酒はほどほどに。


※小金井市の学童は昨今の民間委託の潮流の波の中、まだ全て公設公営であるが行政の「第3次行革大綱」に民間委託は謳われている。今後、行政の動きにも注視したい。


▼運動会の風景

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