三菱一号館美術館で「私の印象派。ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」を観た! | とんとん・にっき

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三菱一号館美術館で「私の印象派。ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」を観てきました。 フランス印象派とポスト印象派の展覧会です。観に行ったのは、4月10日のことです。


ポスターもチラシも、そして図録も、ルノワールの「猫を抱く女性」が使われています。まさにこれが目玉でしょう。「アンリオ夫人」「髪を編む若い女性」とあわせて、ルノワール3点セット揃い踏みです。他にもルノワールの作品が目白押しです。一方、コローの「芸術家のアトリエ」、ベルト・モリゾの「窓辺にいる画家の姉」、そしてロートレックの「カルメン・ゴーダン」、みんななぜか横向きですが、いいですね。


印象派らしく、1章は「戸外での制作」で始まります。モネの「アルジャントゥイユ」や、ブーダンの「トゥルーヴィルの浜辺風景」、「オンフルール港の祭り」が取り上げられています。もちろん風景画です。僕は昨年のフランス旅行で、オンフルール港へ行きました。ブーダン美術館へも行ったのですが、時間の関係で中へは入らず、図録だけ買って帰りました。新しい時代なのか、ドガの「競馬」やマネの「競馬のレース」がテーマとして取り上げられています。セザンヌの「愛の争い」と、ゴッホの「オランダの花壇」は、珍しい作品です。


最後の章は、「ボナールとヴュイヤール」が取り上げられています。図録の巻末には、杉山菜穂子による「親密さの系譜―印象派からボナール、ヴュイヤールへ」という詳細な論文が載っています。「まるで自邸でくつろぐかのような雰囲気の展示室内で、身近な存在として絵画を愛でるという、今日、ナショナル・ギャラリーの観衆たちが享受できる贅沢な鑑賞スタイルは、印象派とそれ以後の画家たちが芸術に求めた親密さに、さらなる思いを巡らせてくれるのである」。


大向こうをうならせる大きな作品はなく、比較的小さな作品がほとんどです。それはエイルサ・メロンを中心に形成されたコレクションであり、これらは彼女の繊細で洗練された感性によって、身近に置くために収集された上質で上品な印象は作品群だからです。ゆえに、小部屋の連なりでできている三菱一号館美術館に適した作品群だといえます。


展覧会の構成は、以下の通りです。


1章 戸外での制作

2章 友人とモデル

3章 芸術家の肖像

4章 静物画

5章 ボナールとヴュイヤール



1章 戸外での制作






2章 友人とモデル





3章 芸術家の肖像



4章 静物画



5章 ボナールとヴュイヤール




「私の印象派。」

描かれたのは、何気ない日常への優しいまなざしと、かけがえのない小さな出来事たち。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー(NGA)西洋美術を集めたアメリカ唯一の国立美術館です。収蔵品はすべてアメリカ市民からの寄贈によるもので、世界でも有数の驚くべき量と質を誇ります。本展では、そのNGAの中で最も人気のあるフランス印象派とポスト印象派のコレクションを展示します。このコレクションは、NGAの創設者で実業家として成功したアンドリュー・W・メロンの娘で、アメリカにおける近代美術振興に大きな功績を残したエイルサ・メロンを中心に形成されました。これらは彼女の繊細で洗練された感性によって、身近に置くために収集された上質で上品な印象は作品群です。まとまって館を離れるのが極めて稀な作品群が、NGAの大規模な改修を機に、日本初公開38点を含む計68点揃います。ルノワール、マネ、モネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホなど、アメリカ合衆国が誇る珠玉の印象派コレクションをご堪能ください。

「三菱一号館美術館」ホームページ


insyo
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」
図録
編集:三菱一号館美術館
    読売新聞東京本社
発行:読売新聞東京本社






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