千葉市美術館で「江戸の面影」を観た! | とんとん・にっき

千葉市美術館で「江戸の面影」を観た!



千葉市美術館で「江戸の面影 浮世絵は何を描いてきたのか」を観てきました。たまたま用事があり、観に行ったのは2月26日のことでした。 千葉市美術館の浮世絵の所蔵品は定評があります。浮世絵は、江戸絵画と並び、千葉市美術館の得意の分野でもあります。例えば「千葉市美術館所蔵 浮世絵の美展」として、全国の美術館を巡回したりしています。たまたま僕が持っている「浮世絵の美展」の図録は、2008年7月に岡山県立美術館で開催された時のものです。


浮世絵といっても、その切り口はさまざまです。今回はいわゆる「章だて」が異常に多い。プロローグとエピローグの他に8章もあり、都合10章で構成されています。やや細分化されすぎかとも思いますが、逆に言えば、観る方からすれば焦点が絞られていて分かり易い。タイトルの「江戸の面影」は、明治期に入ってからの錦絵、小林清親の作品やヘレン・ハイド、ジョルジュ・ビコーの作品が入っているからでした。


今回の特徴は上に挙げたようなことですが、展示品が浮世絵ですから小さいと言えば小さい。従って、浮世絵の展示はけっこう難しい。よく詰まってしまい、観客が流れなくなってしまいがちです。しかし、驚いたことに、会場構成が今までの、いつ行っても変わらない野暮ったさ、大部屋スタイルが、今回は浮世絵の展示に合うように、会場構成がグルーピングに合わせて、こまめに形作られていました。これは千葉市美術館にとっては、長足の進歩です。


それにしても凄い数です。出品目録によるとなんと総数272点です。まさに「歌舞伎、遊里、岡場所の芸者、江戸名所、娘たちのおしゃれなど、浮世絵は江戸という特別な都市に育まれた美意識や文化を余すところなく伝え、今では失われつつある日本の美徳のありかを思い起こさせてくれようとしているようです」と、千葉市美術館は述べています。


展覧会の構成は、以下の通りです。


プロローグ 江戸の繁栄

第1章 吉原の粋―四民のいっち上にいてもてぬなり

第2章 江戸の盛り場―橘町の踊り子と辰巳芸者

第3章 江戸娘の闊達さ

第4章 歌舞伎への熱狂と団十郎贔屓

第5章 江戸っ子の好奇心

第6章 愛しき日常と子どものパラダイス

第7章 花を愛でる人々

第8章 冨士の絶景

エピローグ 江戸の面影



プロローグ 江戸の繁栄



第1章 吉原の粋―四民のいっち上にいてもてぬなり




第2章 江戸の盛り場―橘町の踊り子と辰巳芸者





第3章 江戸娘の闊達さ




第4章 歌舞伎への熱狂と団十郎贔屓



第5章 江戸っ子の好奇心

第6章 愛しき日常と子どものパラダイス




第7章 花を愛でる人々
第8章 冨士の絶景



エピローグ 江戸の面影


「江戸の面影 浮世絵は何を描いてきたのか」

太平の世—その繁栄を象徴するかのように江戸文化の中心に花開いた浮世絵は、流行風俗を描いて当時の人々の関心を引き、高度な木版画技法=錦絵によって安価に広く普及しました。大衆を享受者に巻き込んだ、世界でも稀なこの芸術が、現代にまで生き生きと伝えてくれる江戸の姿を、我々はどのように理解するべきなのでしょうか。この展覧会は、幕末~明治初期に来日した外国人達の日本旅行記や、江戸時代の狂歌や随筆の中の言葉をきっかけに、浮世絵が表現してきた事象を丁寧に解き明かし、その理解を深めようとするものです。歌舞伎、遊里、岡場所の芸者、江戸名所、娘たちのおしゃれなど、浮世絵は江戸という特別な都市に育まれた美意識や文化を余すところなく伝え、今では失われつつある日本の美徳のありかを思い起こさせてくれようとしているようです。江戸時代中•後期の優品約250点を通して、浮世絵が描いてきた江戸の美の本質に迫ります。


「千葉市美術館」ホームページ


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