チャン・ツィイーの「ジャスミンの花開く」を観た! | とんとん・にっき

チャン・ツィイーの「ジャスミンの花開く」を観た!

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チャン・ツィイーの「ジャスミンの花開く」(2004年)を、DVDで観ました。チャン・ツィイーの映画は、デビュー作の「初恋のきた道」(1999年)と、最新作の「危険な関係」(2012年)だけしか観ていないということに気がつきました。ちょうどその中間あたりということで、「ジャスミンの花開く」を借りてきたというわけです。


「ジャスミンの花開く」(原題:茉莉花開 )は、2004年製作の中国の映画作品。1930年代から1980年代の上海を舞台に、章子怡(チャン・ツィイー)が三世代、一人三役を演じる。監督は中国映画の名カメラマンとして知られる侯咏(ホウ・ヨン)、これが長編映画の監督デビュー作となった。原作は中国の有名作家・蘇童(スー・トン)の小説「婦女生活」(日本未訳)。以上、ウィキペデイアによる。


ジャスミンは茉莉花、チャン・ツィイー演じる三世代はそれぞれ茉、莉、花という名前です。やや場当たり的な感じもしますが・・・。いわゆる「女の一生」ものです。チャン・ツィイーの魅力は何なんだろうか?たしかに可愛いことは可愛いが、飛び抜けて美人でもないし、表情はいつも同じです。かといって演技力があるわけではなし・・・。まあ、ここでは演技力のある女優、とでもしておきましょう。なにしろ三世代、一人で三役をを演じ分けているのですから・・・。


第1部は1930年、実家の写真館を手伝いながら、夢見る18歳の娘・茉(モー/チャン・ツィイー)は、映画スターに憧れています。運良く映画会社の社長に見初められて、映画俳優の道を歩み始めます。その矢先に社長の子供を身ごもり、映画会社も軌道に乗らず、社長は香港へ逃げていってしまいます。茉は、仕方なく実家に帰ると、母親は見知らぬ男と同居していました。茉は夢を失い絶望の中で娘を生みます。ある日、男に誘惑され、身をまかせてしまいます。男に裏切られた母親は、置き手紙を残して命を絶ちます。


第2部は1950年、文化大革命時代。成長した茉(モー/ジョアン・チェン)の娘・莉(リー/チャン・ツィイー)は、中流以上の生活をしているにもかかわらず、労働者階級の青年・偉(ジェ)に恋して強引に結婚しますが、莉は偉の家族ともうまくいかず、実母の茉ともうまくいかず、子供が出来ない苛立ちから精神を病んでいきます。莉のために偉は養女・花(ホア)を貰い受けるが、莉は偉が花と関係を持っているという妄想に陥り、偉を党に訴えると大騒ぎします。無実を証明するため偉は命を絶ち、正気を失った莉は家を飛び出します。


そして第3部は1980年、現在。花(チャン・ツィイー)は祖母・茉に育てられ、可愛らしい娘に成長します。地方の大学に合格した青年・杜(トゥ)との交際を茉に猛反対され、反抗するように花は婚姻届を出すが、一緒に暮らすこともなく遠距離夫婦となる。そして彼の子供を身籠りますが、杜は別の女とも関係を持っていました。結婚に反対し、子供を産むことも反対した祖母の茉は亡くなります。臨月を迎えた花は、病院へ行くためタクシーをつまえようとしたが間に合わず、一人雨の中、路上で出産します。数年後、郊外の団地に引っ越し、母娘二人、新しい生活を夢見る花の姿がありました。


特徴的な中国の三つの時代を背景に、チャン・ツィイーは茉、莉、花と、不幸な三世代、三人を演じきります。逆に、この映画、男が掘り下げて描かれてないように思いました。それぞれ素晴らしい男に出会うわけでもなく、ただただ時代と向き合って、母親との確執の中で暮らしているという、全体的に暗い映画になっています。夜寝るときに、便器のような壺を部屋に置いておくなど、珍しい風習も描かれています。雨の中の体当たり的な出産シーンは、迫力があります。ただし、中国の歴史的な背景と、主人公らのつながりは表面的で、もう少し掘り下げて描いても良かったのではないでしょうか。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。

チェック:「初恋のきた道」などのチャン・イーモウ監督作品のカメラマンであるホウ・ヨン監督が初めてメガホンをとった女性讃歌。激動の時代を生きた三世代の女性たちの姿を力強く描く。主演は「SAYURI」などで国際派女優として注目されているチャン・ツィイーが務める。共演は「赤い薔薇、白い薔薇」のジョアン・チェンや、「PROMISE」のリィウ・イェ。チャン・ツィイーが茉・莉・花という3人の女性にふんし、それぞれまったく違うキャラクターを魅力的に演じ分けた。

ストーリー:1930年代の上海で、茉(チャン・ツィイー)は母(ジョアン・チェン)の反対を押し切り女優への道を歩み始めるが、これからという時に妊娠してしまう。同じ頃日本軍が中国に侵攻し、失意の中茉は娘の莉(チャン・ツィイー)を生む。1950年代、莉は労働者階級の偉(ルー・イー)と結婚するが不妊症だとわかり、養女として花(チャン・ツィイー)を貰い受けるのだが……。人、未来の希望に満ち溢れた新しい生活を夢見る花の姿があった。


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