横浜美術館で「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」を観た! | とんとん・にっき

横浜美術館で「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」を観た!



横浜美術館で「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」を観てきました。観に行ったのは7月17日火曜日、奈良美智とは直接関係ありませんが、その日の夜に第147回芥川賞の発表があり、鹿島田真希の「冥土めぐり」が受賞しました。奈良美智の作品は数は少ないのですが、青森県立美術館で2回、弘前の吉井酒造煉瓦倉庫の「A to Z Memorial Dog」、そして渋谷パルコパート1で「青森県立美術館 コレクション展 北の異才たち」を観ました。


やはり青森県立美術館の「あおもり犬」が、その大きさから圧倒的な印象があります。また弘前の「A to Z Memorial Dog」、これは雪降るなかを観に行ったので、これも印象に残っています。そして今回、横浜美術館では「White Ghost」という、これもまた巨大な少女像が存在感を放っていました。2010年9月にニューヨークのアジア・ソサエティで開催された「奈良美智展」の歳に、パーク・アベニューに展示されたことがあるFRPの作品です。


Nowhere Man
The Beatles
Lennon/McCartney

He's a real nowhere man
Sitting in his nowhere land
Making all his nowhere plans for nobody

Doesn't have a point of view
knows not where he's going to
Isn't he a bit like you and me?
Nowhere man please listen
You don't know what you're missing
Nowhere man, The world is at your command

世界中で大きな評価を得ているという奈良美智、僕の力量では、とてもじゃないですが、作品について評価することはできません。今回のタイトル「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」は、ビートルズの「Nowhere Man」の歌詞からの引用だそうです。「Nowhere Man(一人ぼっちのあいつ)」は、LP「ラバー・ソウル」の中の1曲。また、渋谷パルコパート1でもたしか1点出されていましたが、横浜美術館の第4展示室に置かれた作品、「ノッポのお姉さん」「ちょっと意地悪」「真夜中の巡礼者」「ルーシー」など、ブロンズや白銅の作品が存在感を放っていて、感動しました。


それらの存在感に比して、どうしてもドローイングは、たとえば画面は大きくて、また数はありましたがやはり弱いように思いました。まあ、ドローイングとは、もともとそういうものかもしれませんが・・・。それとは別に、ビデオなどで観ると、奈良美智の東北人特有の朴訥な人柄に惹かれるところがあります。








「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」

一目見ると忘れがたい印象を残す子どもや動物たち。奈良美智(なら・よしとも)が作り出す作品は、時に挑戦的であり、またある時には瞑想しているような憂いを帯びた、多彩な表情を見せてくれます。そこには、可愛らしさの奥底に秘められた強い意思や、言葉にできない感情といった、相反する営みが共存する人間の奥深さが表れ、見る者の想像力をかきたてる魅力を秘めています。
絵画やドローイングをはじめ、大規模なインスタレーションなど、多様な作品を通じて広く世界中の人々を魅了してきた奈良美智は、今、再び創作活動の原点に立ち返り、文字通り自らの手によって生み出される指の跡もあらわな彫刻など、新たな作品世界を切りひらこうとしています。
タイトル「君や 僕に ちょっと似ている」は、ビートルズの「Nowhereman」の歌詞に登場するフレーズです。作家からのメッセージに記されているように、それは作家と作品の関係、さらに観客と作品の関係性を示しています。様々なレベルにおいて絶え間ない変化を続ける世の中で、人々の共感を呼び、長く残り、語り継がれるもの。それは「君」や「僕」に「ちょっと似ている」、普遍性を持つ存在であることでしょう。これまで作家の分身として送り出されてきた作品は、より自立した存在として私たちと向かい合い、永続性のある共感関係を結んでくれるに違いありません。
本展は、作家にとって初の挑戦となる大型のブロンズ彫刻をはじめ、絵画やドローイングなどの新作により構成されます。2001年に開催した国内初の大規模な個展以来、横浜美術館では11年ぶりの個展開催となり、その後、青森、熊本へ巡回します。


「横浜美術館」ホームページ


とんとん・にっき-nar1 「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」

入場チケット

「News」.2011 鉛筆・紙













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