INAXギャラリーで「西村伊央展」、「甲田千晴展」を観た! | とんとん・にっき

INAXギャラリーで「西村伊央展」、「甲田千晴展」を観た!

INAXギャラリーで「西村伊央展」、「甲田千晴展」を観てきました。正確に言えば、「西村伊央展」はINAXギャラリー2、「甲田千晴展」はINAXガレリアセラミカ、が展示会場です。INAXギャラリーへは、銀座へ出ると、どうしても寄りたくなります。そして、その展示された作品については、毎回驚かされます。今回の2人、甲田は1982年、西村は1984年の生まれで、ほぼ同年代です。が、しかし、今回出されたものはまったく正反対の作品です。


西村伊央展―symphonic photograph―

西村伊央の作品は1点のみ、しかし実際に観ないとその大きさは分かりません。暗幕を押しのけて、真っ暗い部屋に入ります。僕の数え間違いがなければ、16枚×63枚、従って全部で1008枚の、葉書より一回り大きなプリントされた写真が、緩やかに湾曲した壁面に並べて貼ってありました。もちろん、最初は何のことかまったく分かりません。一瞬、デジタルな映像作品かと思いました。しかしそばに近寄ってみると、何のことはない、ただ写真を貼っているだけの、手間暇かかるアナログな手法です。暗闇から浮かびあがってくるそのイメージは、色と光が暗闇の中で交錯します。いただいた資料によると、彼女の作品は、写真で空間を作ることができないか、というのが最初の発想だったという。写真表現と音楽、空間と身体感覚との関わりについて、これまで考えてきたことが「astral」でつながって生まれたという。


西村伊央は、1984年東京都生まれ。2007年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術コース卒業。2011年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻終了。2008年第13回学生CGコンテスト特別賞。2008年2007アジアデジタルアートアワード静止画部門入賞。







甲田千晴展―土の記憶 刻生―

甲田千晴は、2005年に信楽陶芸の森に行ってから今のスタイルに至っているという。「トライム」(2005)で年輪をイメージしたつなぎ目が分からないようにした作品を作り、生物が死んでもまた次の生命体の栄養分になる、ずっと続いていくということがコンセプトだったという。陶芸の釉薬やテクスチャーに囚われていたが、最近は感情や思想を優先して作っていきたい、と語っています。なにしろ動物の骨のようでもあり、樹木の表皮のようでもあり、不思議な造形物ですが、これがすべてセラミックだというから驚きです。多治見市に住んで制作しているというのがいい。


甲田千晴は、1982年岡山県生まれ。2005年岡山県立大学デザイン学部工芸工業デザイン科卒業

。2006年信楽陶芸の森アーティストインレジデンス(4ヶ月)。多治見市陶磁器意匠研究所終了。現在、多治見市にて制作。2006年朝日陶芸展奨励賞。2008年岡山県新進美術育成I氏賞奨励賞。





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