日本橋高島屋で「アートの黄金郷。ジパング展」を観た! | とんとん・にっき

日本橋高島屋で「アートの黄金郷。ジパング展」を観た!

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31人の作家の作品を一挙に展示するという「ジパング展―31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。―」を、日本橋高島屋で観てきました。イムラアートギャラリーの井村優三が企画を、ミヅマアートギャラリーの三潴末雄がキュレーションを担当。タイトルは、独自の美的感覚が新鮮な発見として世界に迎えられている日本の現代アートを、冒険家マルコ・ポーロが日本を黄金郷であると伝えたエピソードをもとに名付けられています。欧米美術の枠組みにとらわれることなく、エネルギッシュかつ自由に表現された作品の数々を一挙に鑑賞することができるだろうと、企画者側ではいう。


正直言って僕の苦手な分野、出品作家で知っているのはほんの数人です。チラシの画像は、三瀬夏之介の「だから僕はこの一瞬を永遠のものにしてみせる」(2010年)という、272×1456cmという驚くほどの長さの、和紙に墨、胡粉などによる日本画の伝統に則った作品からとっています。大きい作品ということでは、山口晃の「山乃愚痴明抄」(1995年)も91×436.2cmの横に長い油彩画で、洛中洛外図や合戦図絵巻を取り込んだ作品です。会田誠は「大山椒魚」という作品。


ペン&インクで描いた池田学の「ブッダ」(2000)、いや~、迫力がある精緻な作品です。どこで観たのか、聞いたのか、分かりませんが、この作品があるということは知っていました。しかし、こんなに凄いものだとは、まったく知りませんでした。池田学については、今年の初め、ミヅマアートギャラリーの「池田学展 焦点」で、展示作品は20点、22cm×27cmのペン&インク作品を一度観ただけですが、惚れ込んでしまいました。「超細密なペン画で観る者を圧倒する」という池田学の作品、「ディテールを集積した絵画宇宙を築きあげ」、「ユーモアあふれる想像力と表現力に圧倒されることでしょう」、いやたしかに圧巻です。


青山悟、先日、ミズマアートギャラリーで、「芸術家は人生において6本の薔薇を真剣につくらねばならない」という個展を見てきました。ハレーションを起こしそうな眩しいくらい真っ白な部屋に薔薇を描いた5点の額が展示してあり、あれっ、と思ったら、次の真っ暗な部屋に1品の薔薇を描いた作品が展示してありました。合計6本の薔薇です。描いたのではなく、「ポリエステルに刺繍」とありました。


上田順平の陶磁器作品、どこかで観たことがあるのですが、どこで観たのか、思い出せません。町田久美は日本画専攻、「DOMANI・明日展2010」では、今回と同様、赤ちゃんを単純化して少ない線で描いていました。今回は「とまり木」という後ろ姿の2人を描いた作品、鴻池朋子は骸骨を真ん中に堂々と描いた襖絵「無題」、束芋は、「にっぽんのちっちゃい台所」という模型のような作品、山口晃は、鏡を間に半分描いた「歌謡ショウ圖」、これは面白い試みです。山口晃はマスメディアへの露出度も高く、今回の出品作家の中では、一番知名度が高い作家でしょう。山口晃の作品は、銀座三越で開催された「東京旅ノ介」で僕は初めて観ました。


出品作家:
会田誠、青山悟、池田学、石原七生、上田順平、 JUN、岡本瑛里、風間サチコ、樫木知子、熊澤未来子、鴻池朋子、近藤聡乃、指江昌克、染谷聡、棚田康司、束芋、天明屋尚、南条嘉毅、藤田桃子、町田久美、三瀬夏之介、宮永愛子、森淳一、山口藍、山口晃、山崎史生、山本太郎、山本竜基、吉田朗、龍門藍、渡邊佳織








「アートの黄金郷。ジパング展」
―31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。―

冒険家マルコ・ポーロが、わが国を黄金郷であると伝えたときと同じように、いま日本は新鮮な発見と驚きをもって世界に迎えられています。人々の視線の先にあるのは、産業技術食文化だけではなく、独自の美的世界から表現された日本の現代アート。本展では、21世紀の現代アートをになう31人の気鋭作家による、絵画や立体、映像などの作品を展観。欧米美術の枠組みにとらわれることなく、エネルギッシュかつ自由闊達に表現された、見る人を熱く、高ぶらせるような作品の数々をご覧ください。

「ジパング展」公式サイト


画像はこちらからお借りしました。

会田誠、三瀬夏之介ら気鋭31作家の作品を展示する『ジパング展』が3都市で開催


とんとん・にっき-zip9 「ジパング -31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。」

2011年6月1日発売
価格:2,940円(税込)
発行:青幻舎








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