日本通信のドコモFOMA microSIM販売によるiPhone4転売助長について | スマホアプリ開発記

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日本通信が、ドコモFOMAネットワークを利用できるiPhone4専用microSIMを発売します。

talking b-microSIM | これからのケータイは端末から選ぶ時代。(iPhone専用プラチナサービス)
中村智武のCTO記

少なからずとも、ソフトバンクという会社を毛嫌いしている人や、ソフトバンクのネットワーク網(いわゆる電波問題)に不満を持っている人がいて、そのような方には朗報と言えるでしょう。

しかし、問題が一つあります。
重要な問題です。

それは、ドコモ向けiPhone4端末の入手に関して日本通信が全くタッチしないことです。
日本で発売されるiPhone4はSIMロックがかかっていますので、必然的に海外から端末を入手する必要があります。

そして、日本通信のニュースリリースには堂々と以下の文言が書かれています。

日本通信、ドコモ網でiPhone 4を快適に使えるマイクロSIMを発表
ソフトバンクモバイルが販売するiPhone4にはSIMロックが掛けられているため、ユーザは通信を選ぶことができませんが、海外の多くの国でアップルが販売しているiPhone4は、SIMロックが掛かっていないSIMフリー版です。しかもこれらのSIMフリー版iPhone4は、日本における電波法の認証を受けているため、日本で全く問題なく利用できるようになっています。

つまり、ユーザーに対して何らかの方法で海外で販売されているiPhone4を手に入れてね、ということです。
これは、日本の企業が海外から日本へのiPhone4転売を奨励するということと同等なのです。

日本は世界の国の中でも先行してiPhone4が発売されたため現在は少し落ち着いたかもしれませんが、海外はまだ発売されたばかりの国が多く、どこもまだまだ人気です。そうした国で売られている端末を日本人が買うということは、その分現地の人がiPhone4を買えなくなるのです。

また、品薄になれば当然価格も上がることになります。

■中国人の転売ビジネスを助長


さて、このようなことを日本は今までに何度も経験しています。

例えば、過去にはPS3やWii等を発売直後に中国人が大量に買いあさり、長い間品薄になり、オークションでは定価以上の高値で取引されていました。
中国には今や多くの富裕層がおり、彼らは金に糸目をつけず中国未発売の日本製ゲーム機を購入するのです。また、品薄の状況を利用し、オークションの価格を吊り上げ、日本内でも転売利益を貪るのです。
この時、多くの人が転売屋や中国人に怒りを覚えなかったでしょうか?

当時の記事を軽く検索した範囲でいくつか紹介します。

Wii Fit早速中国で転売 - 中国リアルIT事情|ASCII.jp
中国人が転売して母国中国に転売することは、昨年のPS3やWiiの発売日の異様ともいえる事態を覚えている読者であればご存知かもしれない。商売上手と言われる中国人は、転売という行動にためらいはなく、中国人にとって転売という言葉、行為について日本人の持つような「モラル的に誉められる行為ではない」ような含みはない。

中国人? 「Wii」と「WiiFit」 大人買い|アキバBlog

中国で非公式に売り出されたPS3とWii--中国商人に好評なのは日本版PS3?|CNET Japan


日本通信もしくはドコモは、Appleと提携し、AppleからSIMフリー版iPhoneを調達すべきです。
それができないのなら、「海外iPhone4専用microSIM」という名目はどうなのでしょうか?
少なからず国際的責任を果たすのであれば、せめて建前だけでも機種を特定しないFOMA microSIMとして販売すべきではないのでしょうか。

海外SIMフリーiPhone4に頼ったビジネスは、転売行為を助長することになります。
今後、輸入SIMフリー端末を販売する業者が大量に現れるでしょう。
既にそのような業者は存在するものの、今まではmicroSIMを自力で用意できる上級者向けでしたが、それが一般化することになるのです。
そして、端末にはプレミアム価格が間違いなく乗せられます。
中国人が日本にやって来て大量にPS3やWiiを買って本国へ持ち帰り高値で販売するのと全く同じことを今度は海外に対して行うということです。
それに加担するのであれば、今後は中国人や転売屋に文句を言うことはできません。