不器用者たちの先。 | いとう歌織の夢見がちあれこれ。

いとう歌織の夢見がちあれこれ。

国内外で活動する振付家/ダンサー。
2012年よりダンスプロジェクトアマキオト主宰。
こども~大人まで、幅広い層を対象にしたワークショップや
赤ちゃんと保育者に向けたベビーダンス講師としても活動中。

ぶり返した風邪がかなり良くなりました。鼻詰まりって、思考が低下していやーね、って思います。

今日久々に部屋のお香の匂いが嗅げた気がして、一気にテンション上がりました。暫くは生姜と足湯は欠かしたらいけないなと、肝に銘じます。あとマスクとネックウォーマーね。

さて、先日も長時間稽古で、私とダンサー二名の闘い、という感じです。ここ数日、罵倒しまくり、涙目にさせ、身体を酷使させ、追い詰めることを繰り返しています。


何故こんな事をやるか?


もっと言葉を駆使してうまいやり方があるのではないか、というのは充分承知した上でやっている作業です。

私はカンパニーに居た時代、筋肉が泣き叫び、どんなにやっても「違う、面白くない。」と繰り返し訓練を受けて来た。その時は、毎回テーピングやら湿布やら準備して、死ぬ気で稽古に行く日々が続いた。

今思うと、キムさん(主宰)の気持ちが凄く分かる。同じ立場に立って、自分がこういうものが観たい!というものが明確になって初めて分かる事があるんだと知った。

つまり、人を感動させる身体というのは、並大抵の事では手に入らないという事だ。それを、ダンサーに伝えたい。それだけなんだな。

理不尽な言い方したり、言う事がコロコロ変わるから、馬鹿真面目なダンサー二人は必死に言う事を忠実に聞こうとしていて、まるで昔の私を見ている様で可笑しくなる。笑ってる場合じゃないし、私も不器用過ぎる言い方を直したいんだが直らない。

でも、この馬鹿真面目さの先には、時間が掛かっても必ず待っている世界があるんだ。この作品中に開花するかなんかは正直分からない。勿論最大限、良いところが見える様に演出するのが私の仕事だ。だけど、そこは彼等に委ねて、舞台上では手放して楽しみたい。

と、そこに行き着くまでもうひと踏ん張りします。いってきます。
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