久しぶりに「イラストレーション」買っちゃった。 | tomoart_diary

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イラストレーターtomoartの不穏当な毎日。

イラストレーションって言っても他の人のイラスト買ったんじゃないよ(笑)。雑誌のイラストレーション。多分相当久しぶりだと思うけど・・・・。12~13年ぶりとかじゃないかなぁ。

なんで買ったかというと天野喜孝特集だったんで(笑)。天野さんの絵は高校時代にファンになって、ずいぶん画集とか買いましたねぇ。何しろ最初の画集「魔天」は初版(発売当初に購入)と重版(数年前にBOOKOFFで購入)を持ってるくらい(笑)。

ただここ10数年の彼の作品は全然魅力を感じない。基本的に挿絵やイメージイラストなどの発注仕事を止め、画家的な活動を中心に移行していく過程で、彼は描線を整理する事をやめてしまった。この事に関しては、彼は意図的に行った事がどこかに書かれていた。

うろ覚えだが、描線が一番美しいのは下絵の段階だと。そのうちの一本を選んで清書する事によって一番美しい線が消えてしまうので描き方を変えた、といった内容だったと思う。

まぁ絵柄の好みの問題ではあると思うけど・・・・ワタシは天野さんの言う事には納得出来なかったし、昔の絵の方が数倍好きだし美しいと思う。まぁ今の絵の方が好きって言う人もいるのかもしれない(本人は今の方がいいと思って描いてるわけだし)から、こんな事言っても詮無い事なんだが・・・・。

だいたいワタシだって下描きする時が一番気持ちいい(笑)。清書して色付けしてなんて作業を進める程苦しくなって行くのだ。だから下描きだけで作品になるなら楽は楽だ。でも下描きの描線なんて、どんなにきれいに描いても数本のラインが重なって行くわけで、それって他の人が見たら整理されていないだけ。いくらその中の一本一本が美しかったとしても、それが他の人に伝わらなければ表現者としては失格じゃないだろうか。

逆にそこまで言うなら下描きなしで本番の美しい線を一本、すうっと引けば誰も文句言わないけどね(笑)。

今号のイラストレーションにはインタビュー記事もかなりの量載っていて、挿絵を描いていた頃よりずいぶん羽振りがよさそうな今の生活が垣間見れる。そういう意味ではワタシのような昔の絵のファンを捨て(笑)今の制作スタイルになった事で収入は飛躍的に(多分ゼロの数が2~3個かあるいはそれ以上違うだろう)増え、描きたいものを描きたいように描けるようになったのだろうから、まぁ羨ましくもある(爆)。

でもやっぱり昔の“天野嘉孝”の絵が、今でも一番好きです。




illustration (イラストレーション) 2012年 09月号 [雑誌]