エンジェル(2007英/ベルギー/仏)--東京国際映画祭 | CINEPHILIA~映画愛好症~

CINEPHILIA~映画愛好症~

気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

エンジェル1 エンジェル2

この作品、よくみると12月公開でした。無理して、レイトで見ることなかった…。Fオゾン監督作品はいつも注目してますが、今回は原作モノかつ初の英語作品です。

20世紀初頭のイギリス。エンジェル・デヴェレルは、幼いころから上流階級の生活に強烈な憧れを抱き、近くにあるお屋敷<パラダイス>に住むことを夢見ている少女。その憧れを小説として書き綴ることで、16歳にして作家デビューを果たし、思い描いた人生を手に入れる。
人気作家としての名声、<パラダイス>での贅沢な暮らし、そして上流階級出身の画家との結婚。夢をすべて実現したエンジェルだったが、やがて驚愕の真実を知ることとなる。(HPより)


またイギリスの女流作家のお話です。簡単に出版社に認められて、大金持ちになるんです。20世紀初頭の作家ってそんなにボロ儲けできたのか?イギリス女流作家マリー・コレリという人をモデルにしているそうです。前半は、主人公エンジェルのあまりの傲慢さ・世間知らずにムカつき爆弾オゾン作品で最も乗れない作品では…汗と心配になっていました。早く転落しないかと、そればかりが楽しみで…(って私かなり嫌な女?)

でも良く見ると、所々では、オゾンらしい皮肉や冷ややかな視点があるんです。私としては、いかにもイギリス的ご婦人シャーロット・ランプリングをもっと使って欲しかった。

前半のカラフルな衣装や、ゴージャスな生活、夢を自分で現実のものにしてゆくヴィヴィアン・リーのようなド根性姿もよかったのですが。後半は波乱万丈人生を地でいってます。クマができ、悲惨な表情で叫ぶ姿がすごい。主演のロモーラ・ガライ(「タロット・カード殺人事件」では友人の貴族令嬢役)が迫力の演技でした。

オペラのような幕引きに、はかなさも加わってよい味わいでしたワ。

上映前にFオゾン監督のビデオレターが上映され(多分、9月の来日時に撮影した様子)、「この映画は、40-50年代のハリウッド映画へのオマージュを含んでいる」とおっしゃってました。なるほど、ベタな旅行シーンの特撮も、画面の切り替えもクラシック感を出しています。この熱いメロドラマ調も、気丈だけど脆い女性像も、いやぁオゾン的ハリウッドですわ。

* やっぱり男性にお金を差し出すようになったら、人生おしまいと学びました。世の中、仕事してない男に限って、偉そうにしてるんですよね;。


12月8日(土)より公開予定
満足度:★★★★★★★☆☆☆