さらば、ベルリン(2006米) | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

ベルリン1 ベルリン2

映像も、編集も、音楽も…すべてがクラシックで素敵流れ星。映画ファンならこの雰囲気で、唸ってしまうでしょう。

ポツダム会談の取材のため、ベルリンを訪れたアメリカ人従軍記者のジェイク(ジョージ・クルーニー)。かつて、ベルリンに残してきた恋人のレーナ(ケイト・ブランシェット)に再会するも、彼女はジェイクの運転手タリー伍長(トビー・マグワイア)の恋人となっていた。そんな中、銃殺されたタリー(トビー・マグワイア)の遺体がソ連占領地区で発見され……。(シネマトゥデイ)

ソダーバーグ監督xGクルーニーが組んで作った今作は、全編モノクロ。40年代風映画に見せたいため、徹底しています。難しいことよく分かりませんが、固定焦点レンズ、手動ブームマイクを用い、ワイプやピンポイントにライトを当てるなんて懐かしい(って私が言うセリフじゃないですが;)手法盛りだくさんです。Gクルーニーはハンフリー・ボガートのような渋さ、セリフ回しですが、顔に凄みがあり過ぎて、ロシア将校役の方があっていたかも?ケイト・ブランシェットは、幸薄そうな女を好演し、まるでマレーネ・ディートリッヒのようでした(と思ったら、Mディートリッヒはベルリン出身だそうです。絶対意識しているに違いない!)。彼らの演技も舞台劇のような昔風で、音楽も大袈裟な位に劇的音譜。こんな古典風映画に、知っている現代の役者さんが入り込んでいるなんて、不思議な感覚でした。

お話やシーンには、「カサブランカ」(←これもワーナーだったので、たっぷりオマージュ)「哀愁」ヒッチコック、「終電車」「ブラックブック」まで思い出して、勝手にワクワク。サスペンス感は素晴らしく、ほとんど飽きずに最後まで進みました。

でもね…。終わり方がイマイチ私の中で盛り上がらなかったんですしょぼん。映画の切り札と思われる事実が、私にはあまり意外性がなく…どういう感慨を持てばいいのだろうと困ってしまいました。最後まで渋いGクルーニーだけで、大満足でしたが。

* 本当のこというと、モノクロで目が疲れました。


9月22日(土)よりTOHOシネマズにて公開予定
満足度:★★★★★★★☆☆☆