遠くの空に消えた(2007日)--完成披露試写会 | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

遠くの空1 遠くの空2

覚悟を決めて臨みました。私の知り合いの間でも評判はよくなく、私にもこの映画は合わなそうだと、薄々感じていたので…。

この試写会は赤いTシャツを着た子供スタッフが、活躍していました。受付、ゲスト案内、会場整理など。来場著名人はあまり見かけなかった(というより、私が気付かなかっただけ?)のですが、清水圭さんは分かりました。子供スタッフに案内される途中、柱の影に隠れて、困らせたり…日常もお茶目な人なのかもしれません。

さて、今日のお楽しみは神木クンです。司会は伊藤さとり、子役の原風佳(以降敬称略)。登壇したのは、行定監督、神木隆之介、大後寿々花、ささの友間の4名でした。行定監督(「ショコラの見た夢」)、神木クン(「アーサーとミニモイ」)を見たのは最近だったのですが、大後サンを見たのは「SAYURI」プレミアの時以来だったので(「ナルニア」プレミアにも来場していたらしい)、大きくなったなぁとビックリ。女性っぽくなってました。今日は大後さんの誕生日ということで、憧れの女優コン・リーからビデオレターが届き、共演の2人からはUFO型の特大ケーキがプレゼントされました。
(それ全部食べたら、太るよ)

神木クンは映画のままの短パン、サスペンダーが似合ってます。華奢で、女の子と間違えそうなきれいな顔。“奇跡を信じますか?”との質問に「生まれた直後に大病したが、奇跡的に回復し、親が記念に事務所に連れて行き、この仕事をするようになった---ので、奇跡を信じます」と爽やかに答えていました。
(こんな可愛い息子がいたら、きっと私も日本中に自慢するよ)

ささの友間クンは笹野高史さんの息子さんで、映画を見てみるとピタッと田舎の子供がハマっていました。さすが。


++++++++++++++++(長くてすみません。映画の内容はここから↓)+++++++++++++++++

亮介(神木隆之介)は、父親(三浦友和)の都合で広大な大地の広がるのどかな町に転校してくる。彼の父親はここに空港を建設するために、推進派のリーダーとして送り込まれたのだ。亮介と空港建設反対派の青年(田中哲司)にかわいがられている悪ガキの公平(ささの友間)は犬猿の仲だったが、ある晩、偶然二人は出会い……。 (シネマトゥデイ)

144分!ながっ。それも長さを感じさせてない展開ならいいのですが、押し問答やら沈黙の映像が延々続き…今日は子供が多く来場しているのに、泣き出す子がほとんどいなかったことが、まず奇跡です。私も1.5倍速で見たかった。

話の中心は子供達と思うのですが…現実を受け止めきれない少女(大後寿々花)の印象が薄くて、話がおかしくなってます。ラストも「奇跡を起そう」って行動は素敵なのですが、少女の思いがあまり描かれていないから、「で?」と白けてしまう。子供3人にもっとスポット当てるべきだったと思うんです。

一方の大人世界は…空港建設反対運動というリアルなベースがありながら、警官が威嚇発砲したりと「バカボン」レベル。子供染みた大人のどんちゃん騒ぎや、女教師の現実逃避が同時進行して、雑然とした雰囲気でした。ごった煮が作りたかったのかもしれませんが、むしろ大人世界自体が非現実的(=ファンタジー)で、遠い国のお話に思えてしまうんです。

「強く願うこと」「行動すること」そんなメッセージは共感できるのですが、描き方が間違ってる!「奇跡」「信じる」を多用することで、この虚構的ハリボテ世界を正当化(「信じる」心があれば、この作品理解できるよね的な)させようという作戦か。行定監督はやはり原作モノを撮っていった方がよいと確信しました。

けなしっ放しでしたが、いい事は神木クンとささのクンの素晴らしい演技。ナチュラルで、表情がいい。神木クンがアップになるたびに、「萌え」でしたハート達(複数ハート)。そして、行定監督の好きそうな幻想的な風景。普通の野原でさえ緑が鮮やかで、青空に映えて、日常のものに思えないのです。


8月18日(土)より公開予定
満足度:★★★★☆☆☆☆☆☆