ゾディアック(2006米)--完成披露試写会 | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

関係者の方に券を戴き、喜びいさんでマリオンへ。

Based on the Robert Graysmith books about the real life notorious Zodiac, a serial killer who terrorized San Francisco with a string of seemingly random murders during the 1960s and 1970s.(IMDbより)

実際に1966~78年にかけてサンフランシスコ周辺で起こった(少なくとも37人が犠牲者)連続殺人鬼、自称“Zodiac”のお話です。こんな事件知らなかったのですが、「ダーティーハリー(1971)」のさそり事件のモデルといえば分る方もいるかと…(映画では現金要求があったけど;。この「ゾディアック」の中でも「ダーティーハリー」を観るシーンが出てきます)。その不思議で解けない事件に魅了させ、人生まで崩してゆくのが、新聞社風刺漫画家(ジェイク・ギレンホール)、新聞記者(ロバート・ダウニーJr)、警官2人(マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ)の4人。

まず。長いです。157分。
そりゃ10年以上の事件を描くのだから、90分程度で終わらないのは分ります。ゾディアック事件よりもそれに翻弄される4人の情熱と一喜一憂を描いているので面白いのです。が、基本的に早い流れではないので、漫然としているし、ゾディアック事件の詳細が分らず謎解きの楽しみをあまり観客に与えてくれないので、ちょっと置いてきぼりになってしまいました。今、犠牲者何人だっけ…みたいな感じ。手がかりとなる人の名前がどんどん出てくるし、その割に捜査は進展しないので、根気のない私は

「もうやめようよー」と心の中で呟いてました。ラストで一気に加速しますが、終わり方も…未解決事件だから仕方ないのですが、すっきりしないです。多分リアルタイムで震撼していたアメリカ人には面白いんだろうなと思います。

久々のDフィンチャー(「セブン」「ファイトクラブ」「パニックルーム」)の雰囲気は感じられて、不気味なオープニングや、暗くスタイリッシュ?な画面、ヒッチコック並の寒気が感じられたシーンもありました。ついでに、門外漢ながら奮闘するJギレンホールがなんとも迂闊で、観ているこっちがハラハラさせられます(これが狙い!)。

サスペンスを楽しんだ後に言うのも難ですが、もう少し短く、かつ「ブラックダリア」のように巧みなトリックがあると嬉しかったかなと思います。でもIMDbなどの評価はやたら高いんですよね。

* 今回は、Jギレンホールのやつれた感じの目が気に入りました。

6月9日(土)より公開予定
満足度:★★★★★★★☆☆☆