ぶっはー!1時間程うっかり通常で上げる予定を限定記事で上げてしまってました!
ごめんなさいー!!!
おはようございます、マックです!
最近お話しの更新がなくてホントすみません…orz
ちまちま書いてはいるのです。うん、ちまちまと……
しかし水面下の物が多いので、こちらでさっくりUP出来るものが少ないと言う。
そう言うわけで、再録で繋ごうとしております。
ごーめーんーなーさーいー(平謝下)
こちらは『ぴーち☆どろっぷ』第一弾お風呂企画にて公開いたしました作品でございます。
『Papillon -coterie- 』ハルカさんのイラストとコラボさせていただきました。
こちら、1話目は本館で通常公開できますが、2・3話目に桃色描写。
更に3話目にはハルカさんの背後要注意なイラストがございますので別館にて公開です。
そして、ちょっと内面重視のお話しなので苦手な方は苦手かも…です。
成立後、半年記念の二人です。
なお、別館案内については こちらの記事 (もちろん限定記事ですよー)をご覧くださいませ。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆『溶けあう気持ち』゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
一般の人にとってはそれなりに遅い時間かもしれない。
だけど、華やかな芸能界の第一線で活躍し続ける男にとっては珍しく早い時間帯。
蓮は慣れた手つきでマンションの駐車場へと愛車を滑り込ませると、ステアリングから手を離し、ふぅ、と一つため息を吐いた。
予定が一つキャンセルになったおかげで、疲労はそんなに溜まっていない。
ただ、今夜の彼には少し余裕がなかった。
「・・・10時か。」
時間を確認すると、蓮は部屋で待っているはずの愛しい彼女の事を想った。
今夜は付き合い始めて半年の記念日という事で、最愛の彼女・・・キョーコが泊りで遊びに来る約束をしているのだ。
「お仕事遅くまで大変なんですし、軽くお夜食くらいは作りますから!」
仕事がどうしても動かせず、12時近くまで詰まっていると告げると「では豪華なお食事はまた今度にしましょうね!」と、申し出てくれた彼女。
まるで自分の事のように体調を考えてくれる事が、蓮は嬉しくてたまらなかった。
今は自分が一番彼女のそばにいる・・・
やっと手に入れた彼女が、自分の家で自分の帰りを待ってくれていると思うとふわりと心が軽くなる。
しかし、今夜はそんな幸せな気持ちに水を差す出来事があった。
バラエティのゲスト参加で、偶然尚と鉢合わせたのだ。
「こんにちは、不破君。」
「・・・こんちは、ツルガサン。」
お互いのマネージャーがハラハラと見守る中、収録は当たり障りなく終わることが出来たのだが・・・
終了後、セットから降りる際、蓮は声をかけられた。
「今日、半年記念だっけ・・・?オメデトウゴザイマス。」
「ああ、ありがとう。君から祝われるとは思わなかったよ。」
以前、キョーコとの交際を尚に教えたのは蓮だ。
相変わらず『キョーコは俺のもの』と言って憚らなかった尚を黙らせるつもりで伝えたのだ。
二人が付き合っている事は公には隠しているし、そこは尚もばらしてやろうという気持ちはないらしい。
小さな声でぽそぽそとやりとりをする。
しかし相変わらず棘のある祝いの言葉に蓮はあまりいい気がせず、さっさとその場を立ち去ろうといつもの紳士スマイルを光らせた。
「どうだよ、そろそろキョーコの方から催促しなくても『好き』って言ってもらえたか?言わねーだろう。キョーコは本当に周りが見えなくなるくらいのめり込まないと言わねーからな。」
尚はニヤリと笑うと、慌てて呼びつける祥子の元へ悠々と歩いて行く。
その後ろ姿を蓮は黙って見送った。
(それはつまり、「お前の事は自発的に『好き』と言ってもらえる程じゃないんだよ」って事だよな・・・)
車のドアを閉めながら、蓮は一人考える。
キョーコは恥ずかしがり屋だから、なかなか『好き』とは言わない。
ごくごくたまに、それも催促してやっと言うか・・・?という程度だ。
勿論蓮は、キョーコの性格はわかっているので無理に言わせようと思ったことはないし、尚に手酷く振られてから、恋愛に関しては特に慎重になっている事もわかっている。
『好き』は彼女にとって、口にすることはとても重い言葉なのだ。
だけど今夜は言って欲しい・・・
キョーコの口からはっきりと聴きたい・・・
どこからともなく焦りにも似た感情が湧き上がってくる。
蓮はそれが何かわからないまま、だけど確実に囚われながら、カードキーをエントランスの入り口にあるセンサーに翳した。
*
玄関を開けると自動でライトが付き、家主の帰宅を出迎える。
しかし、肝心のキョーコが出迎えに来なかった。
「?」
不思議に思い、まずはキッチンを覗いてみる。
が、待っている間に作ってくれたであろう夜食の美味しそうな匂いだけしかしない。
リビングにも、キョーコの荷物だけしかなかった。
(・・・ああ。)
居場所が確定したのは、サニタリールームを覗いた時だ。
キョーコお気に入りのスキンケアセットが洗面台に並んでいた。
それと同時にバスルームから響く、水の跳ねる音。
家主の帰宅前に汗を流してしまおうと思ったのだろう、キョーコは風呂場にいた。
「なら好都合かな・・・?」
しばらくするとシャワーの水音は止まり、ぱしゃんと湯船に浸かる音が聞こえる。
それを聞き届けると、蓮は自分の着衣をさっと脱ぎ、バスルームに乱入した。
「きゃああっ!?つ、敦賀さん!?」
「ただいま、キョーコ。」
蓮が思った通り、キョーコのよく通る高い声はバスルーム内でキンキンと響く。
少し耳が痛い・・・などと思いながらも、蓮はにっこりとキョーコに笑いかけた。
「あ、あのっ!今夜は遅くなるっておっしゃって・・・」
「うん、そうだったんだけどね。最後の予定が一つ変更になって。それで早く帰って来たんだ。」
「そうだったんですか・・・ならご連絡いただければ・・・」
ごにょごにょと口ごもりながら、必死で蓮からからだを隠そうとするキョーコ。
咽かえるようなバラの香りは彼女の好きな入浴剤だ。
しかしこの入浴剤は薄い透き通ったピンクで、キョーコのからだを隠すことはできない。
そういうコトを何度も経験はしているものの、いまだにキョーコは蓮に自身のからだを晒す事を恥ずかしがる。
そのしぐさがまた蓮を煽るとは気が付いていないのであろう。
蓮も教える気は毛頭ない。
「『もっと早くシャワー使ったのに』ってところかな?」
「!?」
「別に初めてじゃないだろう?一緒に入るの。」
「そうですけど!でもでも・・・恥ずかしいものは恥ずかしいんですっ!」
図星だったキョーコはぷりぷりと怒りながらも、蓮に背中を向け続ける。
ピンクに染まった肩や徐々に赤くなり始めている耳朶を見て、あまりからかうとのぼせそうだと感じた蓮は、そのままざばっと湯船に入り込んだ。
溢れたお湯が、タイルを光らせ排水溝へと飲み込まれていく。
「なっ!?何してるんですか!」
「一緒にお風呂入ってるんだよ?」
「それはそうですけど・・・いえ、そうじゃなくって・・・」
先に体を洗うとでも思っていたのか、キョーコはいきなり湯船に入った蓮に動揺した。
「早くしないとキョーコがのぼせちゃうからね。一緒のバスタイムを少しでも長く楽しみたいじゃないか。」
「えと、そうなんですか・・・?」
「そうですよ?だからこっち向いて?」
「それは恥ずかしいので嫌です。」
背中を向けたまま、ぷいっと首を振るキョーコを見て、蓮はくすりと笑みを浮かべた。
「じゃあしばらくこのままかな?」
キョーコの項がきれいだな・・・と、キョーコが聞いたら慌てて隠してしまいそうな感想を想いながら、蓮は浴槽の一角にどかりと腰を落ち着けた。
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