Thursday then Friday(前編) | In The Groove

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a beautiful tomorrow yea

 
ハイミナーラもキー子もピータアも、みんなその店で知り合った。その店でエラ・フィッツジェラルドの「メロウ・ムード」を聴いたときから、かれらの行方定めぬがはじまったようなものだった。・・・(中略)・・・こんな風にして、かれらはを続けた。都会というのはこの瘴癘の気にあふれた異境、ポオのいわゆる「瓦斯燈のかがやく巨大な蛮境」を、かれらは軽石でこすり束子で洗いさらしたジン・パンを穿いて、さすらった。みるような目をして、しかも全然を見ないで。がつがつ餓えて、しかも満腹して。

三島由紀夫(1925-1970)の短編小説『』(1963年)より

 

の夜長に、シャンパン片手に、エラ・フィッツジェラルドのアルバム『ソングス・イン・ア・メロウ・ムード』をBGMに、気まぐれにブログを書き始めたが、今年も残すところ、早いもので3ケ月を切った。年が明け、1月4日付ブログ“LUXE IS BACK”では、や時間、オペラなどにフォーカスし、2013年は<贅沢は回帰する>ことを予想した(昨年からツイッターやブログでは期待を込め、予想した)が、失われた20数年の間、我々日本人は、不思議な時空を通り抜け、を続けてきたように思う。今振り返ると、見事なまでに年明けの予想が的中し、嬉しい限りだ。

 

2020年の東京五輪開催が9月8日(日本時間)に決定したばかりだが、年初から静かに、アベノミクスも功を奏しながら、日本経済に明るい光が射してきたのは明らかだろう。なぜなら、大手百貨店5社は、9月そろって増収となり、高級腕時計や宝飾品、美術品、呉服など高額品が堅調で、不動産市場も活況を呈し、海外投資家による日本への不動産投資も加熱してきたのは確かなのだから。

 
阿倍首相が9月25日、ウォール街のNYSE(ニューヨーク証券取引所)において、“Buy my Abenomics(アベノミクスは<買い>だ)”と発言した演説は、まるで映画『ウォール街』のゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)を演じているかのようにも思えたが、日本がかつての自信を取り戻したかのように、或る意味、海外メディアには映ったかもしれない。陽はまた昇ると、ね。先月の中秋の名月、あんなにも美しいを見たのはいつ以来だろうか。

 

また、1月7日付ブログ“American dreams came true somehow”では、来日予定のトム・クルーズにフォーカスし、(1月7日時点で、夏・秋以降の公開作品が未定なのだと前置きし)2013年の私的なオススメの映画を、5作品紹介したが、年明けから、早9カ月も経過したなんて驚きだね。

 

ニューヨークでは現在、第51回ニューヨーク映画祭(9月27日~10月13日)が開催中だが、本日のブログは、2013年秋以降の私的なオススメの映画について、5作品取り上げてみたい。

 

私的なオススメ!作品の前に、気になる作品名を挙げていくと―、

 
1.『パッション』 10月4日(金)公開

期待度★★★★☆ ブライアン・デ・パルマ監督、5年ぶりの新作

2.『危険なプロット』 10月19日(土)公開

期待度★★★☆☆ フランソワ・オゾン監督、2年ぶりの新作

3.『恋するリベラーチェ』 11月1日(金)公開

期待度★★★★☆ スティーヴン・ソダーバーグ監督作、マイケル・ダグラス主演

 
4.『キャリー』 11月8日(金)公開

期待度★★★★☆ ブライアン・デ・パルマ監督作『キャリー』(1976年)のリメイク版

5.『マラヴィータ』 11月15日(金)公開

期待度★★★☆☆ マーティン・スコセッシ製作総指揮、リュック・ベッソン監督作

6.『ミッドナイト・ガイズ』 11月16日(土)公開

期待度★★★☆☆ フィッシャー・スティーヴンス監督作、アル・パチーノ主演

 
7.『フィルス』 11月16日(土)公開

期待度★★★☆☆ アーヴィン・ウェルシュ製作総指揮
 
8.『
ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』 11月23日(土)公開

期待度★★★☆☆ 先日のブログで、スティングを取り上げたが、彼が1977年に結成したロックバンド「ポリス」が、解散後から2007年の再結成に至るまでのドキュメンタリー作品。

 

後編に続く