Trading Up or Trading Down | In The Groove

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a beautiful tomorrow yea


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WWD最新号で目に留まったのは、国際テキスタイル見本市2010-11秋冬ミラノ・ウニカ(以下、「MU」)の記事で、先月、ミラノにて8日から11日までの4日間開催され、会場にはベルルスコーニ首相も姿を見せたようだ。
昨年9月の第7回MU会期中に勃発したリーマンショック以降の大不況は、世界のファッションビジネス業界に深刻な影響を与え続けている。ほとんどが中小企業というイタリアの繊維・テキスタイル産業は、現在の危機的状況からの脱却に向けて、さまざまな施策を打ち出している。多くのメーカーは「アルマーニ」や「プラダ」といった人気ブランドが、どういう商品を作るかを見てから企画やでデザインを始めるなど、慎重を期した行動も見られるが、ミラノの勝ち組だった「ドルチェ&ガッバーナ」が価格を見直すという噂もあり、見た目のラグジュアリー感や高級イメージを取り去って、売りやすいモノ作りを目指す傾向にある。

そんな中、欧州テキスタイル産業における販売戦略ツールとしての重要な役割を担うMUは、業界の再生をかけて、アイデア品質創意サービス製品価値の5つのセールスポイントをアピール。また、メイド・イン・イタリー(国産品)を守り、製品のトレーサビリティの確立を急務としている。

(INFASウエーブ/中出順子)
同じ生地をkm単位で購入し、人件費の安い中国、バングラデシュ、カンボジアなどで同じモノを大量生産し、その商品をバナナの叩き売りみたいに販売しているファストファッション業界とは対照的なニュースのようにも思えた。

私的な意見なのだが、ファッションに関しては、生産地は“MADE IN ITALY”のモノが世界最高峰だと考えているので、ハンドメイドを謳っているトム・ブラウンのスーツやネクタイなどはアメリカ製なので、商品そのものは、俺にとってみれば価値がないに等しいのだ。トム・フォードのスーツは、ハンドメイドとはいえ、スイス製がほとんど。同じく、ゼニアもスイス製が目立つのだ。


一方で、アルマーニプラダドルチェ&ガッバーナなどイタリアを代表するブランドのファーストラインは、すべてイタリア製なので、値段も高額だ。ドルチェ&ガッバーナの価格見直しも、ある意味、今の時代に合わせた最善のソリューションなのかも知れない。


小学生の頃にスポーツブランドにハマり、中学生の頃にコム・デ・ギャルソンのシャツを買ってもらい、高校生の頃にアメカジに目覚め、ラルフ・ローレン一色に染まった時期もあった。高校生の頃、シブヤ西武のジョルジオ・アルマーニのブティックを覗いて、スーツ一着40万円の値札を見て、少し固まったことを今でもはっきりと憶えている。ちょうどその頃は、日本のバブル経済にあたる。


大学生になり、エンポリオ・アルマーニのジャケットを初めて購入し、袖を通したときの感動。成人式のために、買ってもらったジョルジオ・アルマーニのスーツ。付け加えると、当時ミッソーニフェレのスーツも合わせて買ってもらったことも憶えている。また、シブヤ西武1Fには、その後フェレ・ジーンズも登場していたしね。


就活のため、ラルフ・ローレンの紺の2つボタンスーツを購入し、銀行・証券・アパレルの企業説明会に参加。アパレル業界には就職する気はなかったのだが、早々と内定をいただいて、時間が有り余っていたので、アパレル企業を10社以上回ったと思う(笑)。


ラルフ・ローレンを身に纏うのは、そのときが人生で最後になってしまった(これからも身に纏うことはない)が、ルマーニの服だけは今でも愛用し続けている。なぜ、アルマーニの服を長く着続けているのかと問われたら、アルマーニの服が好きだから、ただそれだけとか、彼独特の哲学や美学に共感しているから、と答えるだろうね。値段が高いのには、理由があるのだから。


先日、米『TIME』紙が選ぶ2009年「世界に最も影響力のある100人」に、203人がノミニーされたが、ファッション業界からはトム・フォードステラ・マッカートニーの2人だけ。私的には、彼らより、ジョルジオ・アルマーニミウッチャ・プラダのほうが、はるかに影響力があると思うのだが、アメリカ的なノミニーなのだ。


アルマーニの世界戦略の広告ひとつとっても、他のブランドより常に先を進んでいると思えるし、次に何をやってくれるのかを期待させるブランドなのだ。上質な素材を使用した極上の革製品ブランド「エルメス」は好きなのだが、影響力はほとんどない。グッチドルチェ&ガッバーナもファッションそのものは決して悪くないけれど、世界への影響力はさほどないだろうね。カルティエブルガリは宝飾ブランドだし、鞄のブランド「ルイ・ヴィトン」がアパレルを始めたからといって、ヴィトンの手頃なバッグを購入する人が、ヴィトンのスーツを購入しないのと同じように、影響力といった意味合いでは限りなくゼロに近いだろうね。シャネルディオール然り。

ブルガリ・ジャパンは、銀座と表参道のカフェ・レストランで、ノバレーゼと提携して、ウエディング・パーティの企画や運営を始めたらしいのだが、お互いの会社が相乗効果を狙ったコラボレーションだともいえる。ラグジュアリーブランドも生き残りをかけ、必死なんだよね。テイクアンドギブ・ニーズ神田うのと提携するよりは、少しはマシだと考えているのかな(笑)。ノバレーゼもテイクアンドギブ・ニーズも神田うのも、すごい安っぽいイメージなので、正直なところ、何ともいえないね。


ファッションブランドといった意味合いでは、やはり世界的に影響力があるのはデザイナーであるジョルジオ・アルマーニ以外考えられないのだ。アルマーニからイメージさせるものは、誰もがだと思うのだが、ヴィトンやエルメスからをイメージするひとは少ないと思う。また、ファッションは今何が流行っているのかは問題ではなく、誰がそれを着ているのかが重要なのだから。それが顕著に表れているのは、例えば、欧米のモード誌に目を通してみればわかるように、ハリウッドスターやミュージシャンが身に纏っているスーツやドレスがどこのブランドなのか、最終的には、そこに注目が集まっているのだ。

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今、ファッションで先端なのは何かなどという議論は馬鹿げていると思うし、そんなことはファッションに携わる人々に任せればよいだけの話なのだから。極論をいうと、服を購入する側の人々は、アルマーニプラダの動きを日常的にチェックしてみると、面白いと思う。俺は昔からずっと、この2ブランドの動向に注視しているけどね。

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最近では、私的にクリスチャン・ルブタンの動きにも注目しているけれど(笑)。これから数時間後に、ニューヨークのバーグドルフ・グッドマンにてサイン会を行うようだし、日本においてはアオイと合弁で、日本法人を設立するなど、話題に事欠かない感じなのだ。リステアで9月に一番売れているブランドのようだし。


一方で、アルマーニはといえば、ジョルジオ・アルマーニ・フォンエンポリオ・アルマーニ・フォンに続き、第3弾となるウィンドウズ・モバイルを搭載した携帯電話を発売するようだし、以前のブログで記したとおり、来春からのエンポリオ・アルマーニのアンダーウェアの広告に、クリスティアーノ・ロナウドミーガン・フォックスを起用する。また、面白いニュースでは、アルマーニがイタリアの上院議員に推薦されているとか。


プラダといえば、トスカーナ州モンテヴァルキにある同社最大のアクセサリー工場で働く従業員250人を一時的に休職させることで、イタリア労働総同盟(CGIL)と合意のニュース。従業員はローテーションで4~6週間の休職をし、休職期間中も特別公的資金により収入の80%が支給されるようなのだが、これって日本の失業手当とは意味合いが違うのかな?


・・・と支離滅裂に綴ってみたのだが、週末はデヴィッド・ボウイが15日のチャリティ・イヴェントで身に纏っていた『アクアスキュータム』のスーツをチェックするために、シャンパンブランチの後にでも立ち寄ってみようかなと考えている。


とはいえ、丸の内にあったアクアスキュータムの旗艦店はクローズし、レナウンの手からも離れたので、これからどうなるのかは俺が知る由もないのだが、ライセンスものじゃなくて、英国産のスーツが東京に置いてあるのかどうかも、気になるところだね。


バーバリーもそうだけれど、三陽商会がライセンスで作っているブルーレーベルとブラックレーベルは、日本で氾濫しているけれど、そういった価値のない商品を嬉しそうに購入しているのは、いまどき中国からの旅行客くらいじゃないのかと思う。


本物のバーバリーが欲しい人であれば、モード感漂うクリストファー・ベイリーの『バーバリー・プローサム』の店舗に足を運ぶだろうし、日本はモードが生まれてこない国とはいえ、ライセンスビジネスばかりでは、日本のファッション業界は、今後ますます世界から置き去りにされていくことは間違いないだろうね。とはいっても、国内の大手アパレルのオリジナルブランドそのものも売上低調らしいし、売上規模はともかくとして、商品そのものはユニクロよりは少し上の格付けだと解釈すればよいのか、な。


今週は、東京では「ファッション・ウィーク」真っ只中なのだが、メディアで全く取り上げられないので、ファッションに関心のない人には、そんなものが行われていることさえ、知られていない世の中のようで、寂しいよね。



Have a nice weekend !

【追記】
いただいたメッセージをいくつか紹介。

tokyoplayerさん

こんにちは。
今日友人に会ったら、先日ブログに紹介されていた『抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅』という本は彼女の知人が書かれたと聞きました。”いい本なのよ。”と友人は言ってました。なんというか、彼女はすごい人だな、とことあるごとに思わされるのです。崇高ですね、なんて言ってしまったりします。メルヴィルの研究をされているのですが、とても楽しそうに話してくださるので、”Moby- Dick”を買ってしまいました・・・。


こんばんは。
Emporio Armaniの携帯電話がハイエンド゙の9ではなくローエンドの7で出ているのが気になっていましたが、第3弾があったんですね♪日本でも発売されるんですかね。

秋の夜長に、読書はいいと思うよ。それから、俺が愛用している携帯はドコモのプラダフォンで、選択の基準になるのは性能ではなく、デザイン重視派だね。日本発売はないんじゃないのかな。

【再追記】
早朝(23日)に、海外のVOGUE.COMを久々に覗いてみると、“Jolie For Gucci”の見出し。以前、取り上げたグッチ家を描いた映画が、リドリー・スコット監督で、レオナルド・ディカプリオ×アンジェリーナ・ジョリーの組み合わせで実現するかもしれないというのだ。確定ではないにしろ、楽しみだね。

Scott has reportedly approached Leonardo DiCaprio,
whom he directed in Body Of Lies,
to play Gucci opposite Jolie
- although neither star is said to have confirmed their involvement yet.