Time VRS Fluidity 組み付け | 東員自転車工房の作業日誌

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ついに来ました、Time VRS Fluidity 組み付け作業です。

Time VRS Fluidity
Shimano ultegra,105
EASTON wheel

依頼主はtommykawaさんの部下であるnagizouさんです。この世界に引き込まれたのかどうなのかは分からないですがもうどっぷり浸かってしまったようで、ご愁傷様であります笑
今回はTimeの新フレームにGIANT TCRのパーツを乗せ換えるといった内容。特別に用意するものはBB30→シマノクランクのアダプターくらいだ。ちなみにTCRはBB86となっている。
そういえば、よくよく考えると新車組み付けってTimeしかやったことないんだな。ちょっと偏り方がおかしい。2台目だけど。

こちらがGIANT TCR この車体に合わせてISPカットとコラムカットを行う。


GIANTのBB軸からサドルレールまでが690mm、Timeにそのままシートポストを差した状態で797mm、ISPは107mmカットすることになる。ISPについては、ソーガイドがフレームに付いている。アルミの頑丈なやつだ。ノコの刃は32山/インチという細かいものを使う。カーボンは繊維の束を固めてあるものなので、なるべく繊維を壊さないようにするためだ。あとは切り終わりにささくれたりデカールが剥がれてしまったりというところに注意する。
刃が新しかったからか、切れ味は細かい割りにとてもよく切り口もきれいだ。刃は細かいものはすぐダメになるけど安いものなので使い捨てにしてもいいくらいだろう。


続けてコラムカット、このフレームはロングライドモデルということもあってヘッドチューブが長く、スペーサー無しでもTCRより少し高くなってしまうくらいだ。スペーサー無しでステムを入れて、ステムの厚さにもいろいろあることを考慮して上に5mmのスペーサーが入るところで切断する。
NXR INSTINCTの時はコラムのソーガイドも付いていたが、このフレームには付いていなかった。僕はソーガイドを持っていないのでしばし考える。厚いスペーサーはもう使わないよねということで、スペーサーとビニールテープで切る部分を示しておき、頑張るという作戦でいくことにした。Timeのスペーサーは内側にパッキンがあって動かないのでちょうどいい。
フォーク抜こうかなあと思ったが、ヘッドパーツがギチギチでなかなか取れないのでフォークは差したままやることにした。Timeのヘッドパーツはちょっと変わっていて、コラムにネジがついていて、一般的なダストシールにあたるものの穴に付属の棒を差し込んで回してねじ込むというようになっている。スレッドステムみたいにフォークを固定してそこからコラムが伸びているような感じだ。だからステムを抜いてもフォークはガシっと付いており、フレームに付けたままでもできるということだ。
ソーガイドなしのコラムカットだが、全然いける。なんかISPよりうまくいったような気がするくらいだ。


さて大手術は済んだのでTCRからパーツを取り洗浄する。ハンドルがいびつ疑惑が起こりtommykawaさんが強引に曲げようとしている笑。


パーツの準備が整った所でTimeにステムを取り付けてみるが、ちょっとコラムが長い部分があったのでヤスリで調整する。うん、いい感じだ。


BB30のアダプターにはKCNC BB30 RD SHIMANOを使った。TOKENが圧入だったのでこれも圧入だと思っていたが、真ん中がネジになっていて、左右のシェルを締めて挟むものだ。これなら圧入する必要がなく、取り付け取り外しが容易にできるのでオススメだ。ただ、クランクを強く挟み込むと急に回転が渋くなるので気をつけたい。軽く締めるだけでもガタは無かったので様子を見ながら要調整だ。
左側に2.5mmのスペーサーが付いていて、チェーンラインを広げる場合はさらに両側に2.5mmのスペーサーを入れるらしいがそんなものは付属していない。TCRのBBベアリング外-外寸法が89mmなのでBB中心-外は44.5mmとなっている。定義はよく知らないのだが、どうやらロードのチェーンラインは44.5mmというのが一般的のようだ。ということで、KCNCの説明書のチェーンライン44.5mmにある左側に2.5mmのスペーサーを入れる仕様で組み付けた。こうすれば左右均等で89mmになるのでいいだろう。


チェーンリングを付けていたらアウターの裏が表に笑。SUGINOの赤いチェーンリングボルトはSHIMANOのチェーンリングでは厚すぎるようで、削って(もらって)取り付けた。


TimeのISPはシートクランプが上に行っているだけで、短いシートポストを入れるようになっている。ISPでありながら3cmくらいは調節することができる。
さてシートポストを入れようかなと思ったら、カコーンと当たってそれ以上奥まで入らない。上から見ると、トップチューブとの連結部あたりに段差がある。これより奥にシートポストは入らないのだ。目標まであと10mm程度、シートポストの方を短くするしかない。ということでこのフレームは大きめのサイズだとやや不安だ。ジオメトリを見て、トップチューブから15cm以上は突き出す余裕があるサイズを選んだ方がいい。ほぼホリゾンタルなので意外な落とし穴だ。
サドル角は前側の六角ネジを8mmレンチで回して調節する。


次にハンドル角を決める。決める、といっても僕の好みの攻撃的ラインで決めさせてもらえるということで、あまり送らず標準的な角度にした。ううん、スマートでよろしい。
ハンドル角が決まったらケーブルを張っていく。STIはultegraに変更するが、それに新品だが一度組み付けてあるインナーケーブルが付いていたので使えたら使うことにした。シフトワイヤにはSP41シリコングリスを、ブレーキワイヤにはレスポチタンスプレーを使用。
途中でSTIレバーのブレーキワイヤ入口カバーの小さいネジをあろうことか庭砂利の上に落としてしまい大捜索!ばあちゃんが発見しました。お騒がせしました。



最後にバーテープを巻いていきます。



ほい完成です!カッコイイ!もう機材のせいにできない!
いやあ新車はいいですねえ。
nagizouさん貴重な経験をありがとうございました!

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