+労働問題解決ツールで考える
....情報量の違いで差ができる
ここから、全く違う視点での交渉力を検討します。
ここに、ある労働問題を解決するツールが存在
すると、まず仮定します。このツールを交渉力に
利用することが可能です。非常に単純な式を元
に交渉すべきタイミングを算定するツールだから
です。
必要なデータがあります。それは、情報量です。
その労働問題に関する法律的な知識、又は実
務上の知識の情報量がどのくらいあるのかで、
その問題が解決できるかどうかが測定できるか
らです。
ある労働問題で悩む労働者が、その相談のた
めに、下記の四箇所の窓口に相談に行きました。
1)労働基準監督署=労働局:相談窓口
2)弁護士事務所:相談窓口(初のみ回無料)
3)行政書士事務所:電話相談窓口
4)労働組合:相談窓口
その結果、全くうまく行きませんでした。
1)を除いて、全ての窓口で「まずは、1)の労働
局に相談してください」との忠告を受けました。
そして、そのとおりに、まずは、1)に行きました
が、うまく行きません。2)、3)でも事実上、その
相談を継続することを断われました。その理由
は費用の問題と労働者側の情報力が原因です。
実際のケースでは、4)には結局行きませんでし
た。1)の窓口でのアドバイスが原因です。もし、
裁判する場合、労組を使う場合は相談にのれ
ないと言われたからです。
労働問題を抱える相談者をAとします。その交
渉相手は、相談者Aの会社です。そして、相談
窓口は前述の1)から4)までとし、これをCと、
仮定します。そして、今回の労働問題に関する
情報量をこの仮定のツールを使用して計測した
結果、A=1, B=100, C=50という結果が出たの
です。情報力の差が50倍から100倍も違うと
いう結果です。
具体的には、労働基準法に関する知識、労働
基準監督署の本来の役割、該当する労働問題
の過去の判例、弁護士・労働組合の位置づけ、
労働基準監督署の実情(監督署の数、従業者
の数)、労働問題違反企業の数、労働問題別
の労働基準監督署の態度など..です。
相談者Aは、上記のことについてほとんど無知
でした。一方、1)から4)ではそれぞれ専門家
なのでその差が大きいのです。
このような状態では、相談者=Aが、この労働問
題を解決することはできません。圧倒的に情報
量が足らないからです。これと同じことが通常
のビジネスの交渉の現場でも起こっています。
例えば、あるBtoB(企業対企業)の間での交渉
を仮定します。Xが仕入者で、Yが販売者の立場
とし、Yがある商品をXから安く仕入したい場合の
交渉のケースです。Yは海外の取引先で商品は
衣料関係と仮定します。
この場合は、XがYから安くその商品を仕入した
い場合、どんな情報が必要でしょうか。例えば、
下記のような情報が必要です。
1)その商品の仕入原価要因:関税、運賃他
2)Yの競合仕入先の仕入条件:価格、貿易条件
3)最近の外国為替レート
4)Xの今後仕入数量予定
この情報を利用してYとの仕入交渉に挑むのです。
もし、これらの情報がなければより安くより良い条
件で仕入することは困難でしょう。既に持っている
情報量だけの差で交渉の行方が決まるのです。
交渉する以前に持っている必要な活用できる情報
の量の差で交渉の結果が変るということです。
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